VNPTとは?ベトナム版NTTを分かりやすく解説

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VNPT(Vietnam Posts and Telecommunications Group/ベトナム郵電グループ)は、ベトナムで長い間通信インフラを支えている大手の国営企業です。

インターネット、携帯通信、光回線、クラウド、データセンターなど、ベトナムでの暮らしやビジネスに欠かせないネットワークを幅広く提供しています。

日本でいうとNTTやKDDIのような立ち位置といえるでしょう。

今回の記事では、VNPTの成長の歴史、サービス内容、そして今後の展望について、分かりやすく解説していきます。

① VNPTの主なサービス

VNPTは通信やクラウド、行政のデジタルサービスまで多くの事業を持っています。

代表的なものをいくつか紹介していきます。

Vinaphone(携帯キャリア)

VinaphoneはVNPTの携帯通信ブランドです。4G/5Gや通話プラン、海外ローミングなどを提供しており、ベトナムにおいてViettelやMobifoneと並ぶ3大キャリアの1つに数えられています。

安定した通信と広いエリアのカバーが強みで、仕事用として選ばれることも多いといわれています。

VNPT Internet(光インターネット)

VNPT Internetは家庭やお店、企業などで使われる光インターネットで、約7,000万人に接続インフラを提供してきたというデータもあります。

ハノイやホーチミンなどの大都市はもちろん、ベトナムの地方でも導入が進んでいます。

近年、リモートワークやオンライン授業が広がっていることで、需要はさらに拡大しています。

VNPT Cloud(クラウド・データセンター)

VNPT Cloudでは、企業や政府向けにクラウドを提供しています。

VNPTがベトナム政府発であることから、金融や政府関連などのセキュリティが重視される分野で利用されることが多く、信頼性の高いインフラとして評価されています。

VNPT e-Government(行政のデジタルサービス)

VNPT e-Governmentは、住民票や税金の手続き、行政サービスのオンライン化を支える仕組みです。

窓口に行かずに手続きできるようにするなど、ベトナムのデジタル社会づくりに貢献しており、今後さらに伸びる領域といえるでしょう。

② VNPTの創業から現在まで

VNPTは、今ではベトナムを代表する大きな通信会社ですが、その始まりは1945年までさかのぼります。

ベトナムが独立した頃に、「交通専門局」というグループが生まれ、ここからベトナムの郵便や電話の歴史がゆっくりと動き出しました。

その後、1995年にはベトナムの郵便と通信をまとめる総公社として、正式に「VNPT」という名前が付けられました。

名前を変えたことは単なる行政部門にとどまらず、電話などのサービスを提供する段階に入ったことを意味しています。

実際、VNPTによって電話や郵便のサービスが全国に広がっていき、人と人をつなぐ役割を担う大切な存在になっていきました。

そして、2006年にはITの需要の高まりに応じて、会社の形がグループ企業へと変わり、通信だけでなくインターネットやモバイル、クラウド、ネットワークなどの分野にも本格的に取り組むようになりました。

さらに、2012年にはVNPTによって人工衛星「Vinasat-2」が打ち上げられ、ベトナムは自国の衛星を持つ国となりました。

この衛星によって離れた島や山の地域にも通信が届きやすくなり、国内のネットワークは一段と強化されました。

この頃には、VNPTはベトナム63省に通信網を持ち、国の主要インフラを握る企業となっていました。

そして、2015年には会社の見直しが行われ、モバイルの「VNPT – Vinaphone」、メディアの「VNPT – Media」、ネットワークの「VNPT – Net」の3つの分野がそれぞれ独立して動けるようになり、デジタル時代向けのスピードを確保しました。

さらに、2018年には「VNPT-IT」を設立し、クラウドやデジタルサービスなどのIT領域へと大きく踏み出しました。

現在のVNPTは、ただの通信会社ではなく、ベトナムのデジタル社会を動かす企業となっています。

③ VNPTの現在とこれから

現在VNPTの利用者数は約3,000万人とされていて、通信・光回線の分野で国内トップクラスのシェアを持っています。

大手ライバルはViettelで、この2社がベトナム市場をけん引している形です。

ベトナムでも5Gが普及し始めているので、今後VNPTは5Gを中心とした高速通信をベトナム社会全体に広げていく役割が期待されているそうです。

ベトナム全体がオンライン化へ進む今、VNPTはその中心プレイヤーとして期待されており、インフラとしての役割はさらに大きくなっていくでしょう。

まとめ

VNPTは国営通信からスタートし、現在では通信やクラウド、行政のデジタル化を担う非常に大きな企業へと進化しました。

安定したネットワークと政府案件を強みにしており、これからの5G時代やデジタル行政の時代においても、重要な役割を持ち続けるはずです。