Viettel Group(ベトテルグループ)は、ベトナム国防省が保有している国営IT企業で、国内最大の通信キャリアとして知られています。
モバイル通信や光回線インターネット、5Gインフラに加えて、近年ではクラウド、AI開発、電子決済まで事業を拡大しており、ベトナム全体のデジタル基盤を支える存在ともいえます。
今回は、FPTと並ぶベトナムの巨大なIT企業「Viettel」について、わかりやすくまとめていきます。
① Viettelの主なサービス
Viettelは、モバイル通信や光回線インターネット、5Gインフラ、クラウド、AI開発、電子決済など、幅広い分野で事業を展開しています。
ここでは、Viettelが提供している主なサービスについて詳しく解説していきます。
Viettel Telecom(モバイル通信事業)

Viettel Telecomは、4Gや5Gなどのモバイル通信や光回線インターネット、固定電話などを担当しています。
ベトナム国内最大で、約7,000万人ほどの利用者を抱えています。
地方でも電波が十分に届いているのが強みで、ベトナム国民の生活インフラとして欠かせない存在となっています。
Viettel Cloud(クラウドサービス)

Viettel Cloudは、主に政府機関や金融、医療などで使われるクラウドサービスを提供しています。
AWSなどの外資系クラウドが参入しづらい、機密情報を扱う分野では圧倒的に有利な立場にあります。
Viettel AI(AI・スマートシティ事業)

Viettel AIは、顔認証や音声認識などのAI技術を活用し、ベトナム各地のカメラ映像をリアルタイムで分析しています。
こうした仕組みはスマートシティづくりにも使われており、政府のデジタル化を進める役割も担っています。
Viettel Money(電子決済)

Viettel Moneyは、送金や支払いがスマートフォンだけでできる電子決済サービスで、銀行口座がなくても利用できます。
ベトナムで既に普及しているMoMoやZaloPayと競合していますが、通信キャリアが運営しているという強みがあり、ユーザー基盤が非常に大きいです。
日本でいうと、au PAYに近い立ち位置のサービスといえるかもしれません。
② Viettelの創業から現在まで
この章では、Viettelがどのようにして誕生し、成長してきたのかを時代の流れとともに振り返っていきます。
軍関連の通信企業からスタート

Viettelは1989年に、ベトナム国防省の通信部門として誕生しました。
当初は軍で使用される通信ネットワークを整備するところから始まり、民間向けの事業はまだ小規模でした。
しかし2000年代に入ると、一般ユーザー向けのモバイル通信事業へ本格的に乗り出します。
当時のベトナムでは固定電話を持つ家庭が少なく、携帯電話を使う人が急速に増えていました。
その流れに乗る形でViettelの利用者も増え、会社の規模は一気に拡大していきました。
国民的な通信キャリアに成長

Viettelは、他社よりも安い料金で通信サービスを提供し、ハノイやホーチミンなどの都市部よりも、地方や山間部を優先して通信環境を整えていきました。
「まずは地方からつなげる」という独自の戦略が功を奏し、携帯電話を必要としていた層に急速に広がりました。
その結果、現在では利用者数が7,000万人以上となり、ベトナム国内で最も使われる通信キャリアへと成長しています。
また同時期に、カンボジア、ラオス、ミャンマーなどの東南アジア諸国や、モザンビークなどのアフリカ諸国にも進出し、現在では10か国以上で通信事業を展開するグローバル企業となっています。
クラウド、AI、電子決済への拡大

近年のViettelは、単なるモバイル通信会社の枠を超え、国のデジタルインフラを支える存在へと進化しています。
具体的には、クラウド、AI開発、電子決済といった分野にも事業を広げています。
Viettelは国営企業であり、ベトナム政府や軍と密接な関係を持っているため、政府関連プロジェクトに強いという特徴があります。
③ Viettelの現在とこれから

Viettelは、ベトナム最大の通信事業者として国内外で広くネットワークを展開しています。
近年では、携帯通信や固定回線だけでなく、デジタルサービス、データセンター、IoTなどさまざまな分野にも注力し、技術基盤を強化しています。
さらに5Gサービスの展開や東南アジア・アフリカでの通信インフラの構築にも力を入れており、将来的にはデジタル経済全体を支える存在としての役割が期待されています。
まとめ

Viettelは、もともと軍用通信ネットワークから始まったベトナム最大の通信キャリアです。
現在では通信事業にとどまらず、AI、クラウド、電子決済といった分野にも事業を広げ、ベトナムのITやDXを支える中心的な企業となっています。
ベトナムに住む予定の方は、Viettelの通信キャリアを選択肢に入れてみるのもいいかもしれません。
