ベトナム語の特徴|実は漢字語が多い東南アジアの言語

世界の言語

近年、ベトナムは経済成長の速さや日本との関係の深まりによって注目を集めています。

そのため、「ベトナム語を学んでみたい」「どんな言語なのか知りたい」と思う人も増えてきました。

実際、この記事を書いている私もベトナムの経済や文化に興味を持ったのがきっかけで、ベトナム語を数ヶ月勉強したことがあります。

ベトナム語はインターネットで調べると、発音が難しいことなどが強調されますが、100年ほど前までは漢字を使っていたこともあり、日本語と似た単語も多いのです。

例えば、ベトナム語で「農村」は”nông thôn(ノンツォン)”と言うのですが、日本語ととても似ている単語だと思います。

この記事では、ベトナム語の特徴と、学ぶメリットについて分かりやすく解説していきます。

➀ ベトナム語の文字 – 漢字からアルファベットへ –

現在、ベトナム語はアルファベット(ローマ字)を使っています。

そのため、タイ語やミャンマー語といった独自の文字を使う言語と比べると、ベトナム語は初めて見た人にも「文字がまったく読めない」という状態にはなりにくいです。

なので、ベトナム語は初心者が親しみやすい言語といえるでしょう。

ちなみに、ベトナム語はもともとは漢字を使っていたのですが、近代にアルファベットを使うようになったのには、ベトナムがフランスから植民地支配を受けたことが関係しているとされています。

ただし、ベトナム語はヨーロッパの言語と表記が異なる点もあり、その1つがアルファベットの上や下に声調記号が付くということです。

例えば、

a á à ả ã

というように、同じ「a」でも意味や発音が変わります。

それでも、タイ語のように独自の文字を一から覚える必要がないため、文字という点では勉強しやすいといえるでしょう。

② ベトナム語の単語 – 漢字に置き換えると覚えやすい –

ベトナムは、約100年前まで漢字を使っていたこともあり、多くの単語を漢字で表すことができます。

例えば、学校、科学、数学をベトナム語で表すと以下のようになります。

学校:trường học(チュオン・ホック)

科学:khoa học(コア・ホック)

数学:toán học(トアン・ホック)

học (ホック)というのが 「学」 という意味を持っていて、この3単語の全てで使われています。

このようにベトナム語は漢字で考えるととても覚えやすいと思います。

③ ベトナム語の文法 – シンプルで身に付けやすい –

ベトナム語の文法は、英語や中国語と同じSVO(主語 + 動詞 + 目的語)の形を取ります。

例えば、「私はジムに行きます。」という文は、ベトナム語では以下のようになります。

Tôi đi đến phòng tập.

私 / 行く / ジムへ

そのため、英語や中国語ができる方はベトナム語の文法は勉強しやすいと思います。

また、ベトナム語では、過去形や未来形でも動詞の形はほとんど変化しません。

“Ngày mai(明日)”というような「いつの出来事か」を表す単語を文に付け加えるだけで過去・現在・未来を表すことができるのです。

例えば、

Tôi đi đến phòng tập.(私はジムに行きます。)

という文に、「明日」を意味するベトナム語 “Ngày mai” を加えると、

Ngày mai tôi đi đến phòng tập.(明日、私はジムに行きます。)

となり、未来の意味になります。

このように、動詞 “đi(行く)” は変わらず、時間を表す単語を付け足すだけで文が成り立つのが、ベトナム語の文法の大きな特徴です。

そのため、英語のように時制の変化を細かく覚える必要がなく、初心者でも文を作りやすい言語だと言えるでしょう。

私もベトナム語の文法の本を買って勉強してみたのですが、とてもシンプルで身に付けやすいと思いました。

④ ベトナム語の発音 – 声調が6つもある言語 –

ベトナム語の最大の特徴は、声の高さやイントネーションによって意味が変わる「声調」があることです。

中国語にも声調がありますが、ベトナム語の声調は中国語よりも多く、6つに分かれています。

そのため、同じ音でも、発音の仕方によって別の単語になります。

例えば、

má(高く上げる声調): お母さん

mã(揺らすような声調) : 馬

というように意味が変わります。

日本語にはこういう声調はないので、難しいと感じる方が多いと思います。

私もベトナム語と中国語を学んだことありますが、中国語よりもベトナム語の声調は複雑で難しいと感じました。

ただ、パターン化することができるので、たくさん聴いたり話したりして慣れていけば、正確に発音することができるようになると思います。

⑤ ベトナム語を学ぶメリット – 経済が成長していて、在日ベトナム人も多い –

まず1つ目は、ベトナムの人口は1億人以上に達しており、世界でも16位前後の大国であるという点です。

日本にいるとそれほど多くないように感じるかもしれませんが、ヨーロッパのどの国よりも人口が多いことを考えると、ベトナムは人口規模の大きな国だと言えるでしょう。

そして2つ目は、ベトナムでは日常生活の中でベトナム語が広く使われているという点です。

学校や仕事、メディアなど、生活のほぼすべての場面でベトナム語が使われています。

例えば、インドネシアはベトナムよりも人口が多いのですが、日常会話ではインドネシア語ではなく、ジャワ語やスンダ語などの地域の言語が使われることも多いです。

そのため、人口規模だけを見るとインドネシア語の方が大きな言語に感じられがちですが、実際の生活で使われる割合を考えると、ベトナム語の方が上だったりする可能性もあります。

3つ目は、日本国内にも多くのベトナム人が暮らしているため、日本にいながら使う機会がたくさんあるという点です。

実際、データで見ると2025年時点で在日ベトナム人の数は約66万人とされていて、在日中国人(約90万人)に次いで多いです。

そのため、日本でベトナム語を教えたり、コミュニケーションを取ったりする仕事などは一定の需要があると考えられます。

4つ目は、ベトナムは毎年約6~7%で経済成長を遂げていて、世界の中でもトップレベルの成長率であることです。

そのため、ベトナムは現在はまだ発展途上国ですが、数十年後には経済的に大きく成長している可能性が高いです。

新興国の若くやる気に満ち溢れたような活気を感じたい方にベトナムはおすすめできると思います。

まとめ

ベトナム語は、アルファベット表記で学び始めやすく、文法も比較的シンプルな言語です。

その一方で、声調や発音は複雑であり、そこが難しさでもあり面白さでもあると思います。

また、漢字由来の単語が多く、日本人にとって親しみやすい面があることも特徴です。

人口規模や経済成長、日本国内での需要を考えると、ベトナム語は今後さらに注目される言語と言えるでしょう。