ウクライナ語の特徴|独自の長い歴史を持つ東スラヴ系言語

世界の言語

ウクライナ語は、東ヨーロッパの ウクライナを中心に、約4,000万人以上に話されている言語です。

ウクライナではもともとはロシア語が使われることも多かったですが、近年ではウクライナ語を中心に使用されるようになっています。

そしてウクライナ語の大きな特徴は、ロシア語と似ているようで、実ははっきりと異なる独立した言語であることです。

この記事では、ウクライナ語について、文字・単語・文法・発音の特徴と、学ぶメリットを分かりやすく解説していきます。

① ウクライナ語の文字 ― ロシア語と同じキリル文字を使う ―

ウクライナ語は、ロシア語などで使われる文字であるキリル文字を使って書かれます。

文字の種類は全部で33文字あり、見た目はロシア語と似ていますが、ウクライナ語にしかないものもあります。

例えば、次のような文字です。

ї / є / ґ / і

具体的には、

і:英語の i に近い音

ї:「イェ」に近い音

є:「イェ」「エ」に近い音

ґ:はっきりした g の音

となります。

そのため、ロシア語を学んだことがある人でも最初は少し難しく感じることが多いですが、文字の種類は限られているので、慣れると読みやすいと思います。

② ウクライナ語の単語 ― ロシア語と似ていながら、異なる語彙 ―

ウクライナ語の単語は、専門用語などはロシア語と共通していることが多いですが、日常的な単語では、意外と違うものも多いです。

例えば「ありがとう」は、

ウクライナ語:дякую (dyá-kuyu)

ロシア語:спасибо (spa-sí-ba)

となり、まったく異なります。

このため、ウクライナ語はロシア語を勉強したことがある人でも「思ったより違う」と感じることが多いです。

③ ウクライナ語の文法 ― 英語と同じ語順で、語尾が変化する ―

ウクライナ語の語順は、基本的には英語と同じSVO(主語 → 動詞 → 目的語) です。

例えば「私は音楽を聴く」は、

Я слухаю музику.

(私/聴く/音楽)

となります。

そして、ウクライナ語の大きな特徴として、名詞の語尾が変化するという点があります。

例えば「本」を表す名詞 книга (knyha) は、語尾が次のように変化します。

〜は:книга(knyha)

〜の:книги(knyhy)

〜を:книгу(knyhu)

このように、名詞の語尾が変わることで「主語なのか」「目的語なのか」といった文法的な関係を表すのが、ウクライナ語の特徴です。

④ ウクライナ語の発音 ― 柔らかく、歌うような響きを持つ ―

ウクライナ語は母音が6個、子音が32個あります。

そのため、特に子音に関しては日本語にはないものがたくさんあります。

例えば、

и(y): 「イ」 と 「ウ」 の中間音

дь (d) :舌を前に寄せて、軽く「イ」を添える感じのd

などです。

また、ウクライナ語の発音は、ロシア語よりも柔らかくて、イントネーションがあり歌うような響きがあるとよく言われます。

実際に、私もYouTubeでウクライナ語のリスニング動画を聴いてみてそのように感じました。

これには、ウクライナ語では г(g) の音が英語のhに近く発音されるため、全体の音の印象がより柔らかくなることも関係しているそうです。

⑤ ウクライナ語を学ぶメリット ― 奥深いウクライナの歴史や文化を感じられる ―

ウクライナ語を学ぶ最大のメリットは、ロシアよりも歴史が深いといわれるウクライナの文化を理解できることです。

ウクライナ語は、単なるロシア語に似ている言語ではありません。

その起源は、中世の東ヨーロッパに存在したキエフ・ルーシという国にまでさかのぼります。

この国は、現在のキーウを中心に栄え、東スラヴ世界の政治と文化の中心でした。

そして、ここで育まれた文化や言語的基盤が、後のロシア、ウクライナ、ベラルーシといった国々の成り立ちに大きな影響を与えたといわれています。

そのため、東スラヴの人々にとって、ウクライナの首都キエフは、日本でいう京都のような、歴史や文化を感じさせる特別な存在だと表現されることも多いです。

つまり、ウクライナ語はロシア語と似たような特徴を持ちながらも、より早い段階から独自の発展を遂げてきた言語だと言えます。

まとめ

ウクライナ語は、ロシア語と似ていながらも、はっきりとした個性を持っている言語です。

豊かな語彙や柔らかな発音など、独自の魅力がたくさんあります。

「東ヨーロッパの文化を、言語から深く知りたい」という方にとって、ウクライナ語はとても学びがいのある言語だと思います。