タイ語の特徴|南インドと似ている文字を使う言語

世界の言語

タイ語は、東南アジアのタイで使われている公用語です。

タイの人口は約7,000万人と、ベトナムやフィリピンほど多くはありませんが、ビジネスにおいて存在感のある国として知られています。

また、タイは観光大国としてとても有名で、日本人にとって旅行先としても非常に人気が高いため、タイ語は見たり聞いたりしたことがあるけれども、どのような言語かはよく分からないという方も多いのではないでしょうか。

この記事では、タイ語の文字・単語・文法・発音といった特徴と、タイ語を学ぶメリットについて分かりやすく解説していきます。

① タイ語の文字 ― 難しいが、数は意外と限られている ―

タイ語は、アルファベットではなく独自の文字を使っています。

この文字は古代インドの文字をもとにして作られたと言われていて、実際に南インドのタミル語などとタイ語の文字の見た目はよく似ています。

タイ語の文字は子音が44種類、母音が32種類もあります。

こう聞くとアルファベットよりもかなり数が多く、難しいと思ってしまう方もいるでしょう。

しかし、私自身もタイ語の文字を学んだことがあるのですが、実際にその中でよく使われている文字は意外と限られています。

また、タイ語の文字は、いくつかの文字の組み合わせによって成り立っているものも多く、それほど文字数が多いとは感じませんでした。

一見すると非常に難しそうに見えますが、実はタイ語の文字は「アルファベットのように、使われる文字の数がある程度決まっている」という特徴があります。

そして、タイ語の文字は子音を中心にして、その周りに母音がくっつく仕組みになっています。

例えば、タイ語で 「かきくけこ」 を表すと以下のようになります。

ka:กา

ki:กิ

ku:กุ

ke:เก

ko:โก

このように子音「ก (k) 」を中心にして、母音が上下や左右にくっつく形になっています。

② タイ語の単語 ― インド由来が多く、日本人には馴染みが少ない ―

タイ語の語彙には、サンスクリット語やパーリ語といった古代インド由来の単語が多く含まれています。

例えば、「王」という単語は古代インドの言語サンスクリット語とタイ語でお互いとても似ています。

サンスクリット語 : राजा (rāja)

タイ語 : ราชา (rāchā)

これは、インドで生まれた仏教文化がタイに深く根付いていることが背景にあるとされています。

そのため、日本人にとってはタイ語はスペルの馴染みが薄く、覚えにくいと感じることが多いです。

漢字語が多いベトナム語や英語由来が多いフィリピンのタガログ語に比べると覚えにくいといえるでしょう。

③ タイ語の文法 ― 英語や中国語と同じ語順 ―

タイ語の文法は、英語や中国語と比較的似ています。

基本的な語順は、SVO (主語 + 動詞 + 目的語)となっており、これは英語や中国語と同じだからです。

例えば、

ฉันกินข้าว (チャン・キン・カオ)

私 / 食べる / ご飯

というように目的語よりも動詞が先に来ます。

また、英語と違って動詞の活用も少なく、複雑な変化はほとんどありません。

そのため、文法という点では、タイ語は日本人にとって比較的取り組みやすい言語だと言えます。

④ タイ語の発音 ― 声調が5つあり、難易度は高め ―

タイ語の発音で最大の特徴は、声調が5つあることです。

声調とは、イントネーションによって意味が変わる仕組みのことで、中国語 (声調が4つ) やベトナム語 (声調が6つ) などにも見られます。

そのため、タイ語は同じスペルであっても、声調が違うだけで意味が変わってしまいます。

例えば、以下の4つの単語はすべて「マイ」と発音しますが、それぞれ声調によって異なる発音になります。

ไม้ (平らに言う)木

ใหม่ (低めの声で言う)新しい

ไหม (後半から上げる)〜ですか?

ไหม้ (強めから下げる)燃える

この点は、日本語にはない感覚なので、初心者が最も苦戦しやすいポイントとされています。

ただし、タイ語の声調の数は5つで、6つあるベトナム語ほどは複雑ではありません。

そのため、慣れてくると聞き分けや使い分けができるようになると思います。

⑤ タイ語を学ぶメリット ― 観光やノマド、日本との強い繋がり ―

タイ語を学ぶメリットは、主に2つあります。

1つ目は、タイが観光やデジタルノマド (海外に滞在しながらリモートワーク) の分野でとても人気が高い国であることです。

特に首都バンコクや北部のチェンマイ、リゾート地のプーケットなどは生活コストが比較的低く、インターネット環境が整っていて、観光地が豊富であることなどから世界中から観光客やノマドワーカーが集まります。

実際に、2024年にタイを訪れた外国人観光客は約3,940万人で、これは日本 (約3687万人)よりも多いです。

そのため、海外旅行が好きな方やデジタルノマドに興味がある方にとってタイ語はとてもいい選択肢の1つになると思います。

2つ目は、タイは日本と繋がりが強い国であることです。

実際に、バンコクには約5万人の日本人が住んでおり、日本食レストラン、日本人向けサービスがとても充実しています。

ですので、タイは海外の中でも日本人が比較的安心して暮らせる国だと思います。

また、タイに進出した日系企業の数は約6,083社であり、2位のベトナム(約2,373社)を大きく引き離し東南アジアで第1位です。

そのため、タイ語は東南アジアで現地就職を考えている方にはとても良い選択肢になると思います。

まとめ

タイ語は、文字や発音の難易度はやや高いものの、文法はシンプルで分かりやすいです。

観光やデジタルノマド、日本との強い結びつきといった実用的なメリットも多く、「東南アジアに興味がある」「海外で生活してみたい」という人には特におすすめです。

少し難しそうに見えても、一歩踏み出して勉強してみる価値のある言語だと思います。