タイの人口の大部分は「タイ族(Thai)」と呼ばれる人たちです。
「タイ」という名前は、もともと「自由」という意味を持っており、“自分たちの力で生きる民”という思いが込められているとされています。
実際、タイはその名のとおり、昔から他国に支配されず、自分たちの王朝を守り続けてきました。
今回は、そんなタイ族の文化、社会、歴史などについて、わかりやすく紹介していきます。
① タイ族の雰囲気

タイ族の人々は、温暖な気候の影響もあり、全体として明るく開放的な雰囲気を持つ人が多いとされています。
また、私が写真で見た印象では、ベトナムのキン族と比べて、より南国的で東南アジアらしい雰囲気が持っている人が多いと感じました。
実際、タイは「微笑みの国」と呼ばれているように、穏やかな性格の人が多いとされていて、タイに来る旅行者もそう感じることが多いです。
私もタイのバンコクに旅行したことがあるのですが、タイの人々は親切で穏やかだったと感じています。
② タイ族の文化と生活

タイ族が最も多く暮らしているのは、観光地としてもとても有名なバンコクです。
バンコクは伝統的な寺院と、現代的な高層ビルが融合する街並みとなっています。
そして、川が市の中心を流れるバンコクでは、その周辺に暮らす人々も多いです。こうした「川のある都市」という点では、韓国のソウルともよく似ています。
私はこれは日本ではあまり見られない光景だと感じました。
そして、タイ族の食事はトムヤムクンやガパオライスなどが有名です。

トムヤムクンは、エビとハーブの香りが特徴的で、酸っぱくて少し辛いタイの代表的なスープ料理です。
ガパオライスは、ホーリーバジルで炒めた肉をご飯の上にのせて、半熟卵と一緒に食べるタイの定番料理で、少し辛いのも特徴的です。
これらのタイ料理は日本でも有名なので、食べたことがある方も多いと思います。
また、タイ族は、家族のつながりをとても大切にする人が多いです。特にそれが感じられるのが、毎年4月に行われる「ソンクラーン」とよばれる水かけ祭りです。

このお祭りはタイの旧正月に、人々が家族や友人と水をかけ合いながら新しい年を祝うというものです。
私もタイの友達とソンクラーンを体験したことがあり、とても面白い文化だと感じました。
ソンクラーンの時は、国中が明るいお祭りムードに包まれます。
例えばバンコクでは水鉄砲を手にした若者たちが笑顔で水をかけ合い、街全体が一つの巨大なフェスティバルのようになります。
タイに行ってみたい方は、4月13〜15日に行われるソンクラーンの時期に合わせて訪れるのもおすすめです。
③ タイ族の言語

タイ族が話す言語「タイ語」は、声の高さやイントネーションによって意味が変わる「声調言語」です。
例えば、中国語には4つの声調、ベトナム語には6つの声調がありますが、タイ語も同じように5つの声調があり、イントネーションによって言葉の意味がまったく違ってしまいます。
そのため、日本人にとって少し難しく感じることが多いですが、慣れてくると意外とスムーズに身に付けられます。
実際、私も4つの声調を持つ中国語を身に付けたことがありますが、最初は発音が難しくても、慣れてくるとパターン化され、思ったよりスムーズに習得できました。
また、タイ語はラオス語ととてもよく似ています。

実際に、タイ人とラオス人が会話すると、ある程度お互いの言葉が理解できるとされています。
そして、タイ文字はインドの古い文字をもとにしてつくられました。
南インドの文字とタイの文字を比べてみると似ていると感じる方が多いと思います。
私も最初タイ語の文字を見たとき、「なんて独特な形なんだろう」と思いました。
しかし、あとで南インドの文字の影響を受けていると知って、「なるほど」と納得しました。
④ タイ族のルーツと歴史

タイ族はもともと、中国南部(現在の雲南省)あたりに住んでいたとされています。
その後、南に移動して今のタイがある地域に定住し、13世紀ごろには「スコータイ王国」をつくりました。
この時代から「タイ=自由の民」という考え方が広まっていきました。
スコータイ王国の時代のあとも、タイという国は王朝を絶やすことなく受け継いできました。
これは世界的にもめずらしい例だと思います。
ちなみに、バンコクがタイの首都になったのは1782年からで、私はもっと昔からずっと首都だと思っていたので、少し意外でした。
それ以前はアユタヤなどが首都として栄えていたそうです。
また、私がタイの歴史の中で特にすごいと思っているのは、東南アジアの中で唯一植民地にならなかったということです。
その理由は、国王がイギリスとフランスの間で上手く外交を行い、そのどちらにも支配されずに独立を保ったからだと考えられています。
⑤ タイ族の社会と経済

現代のタイ族は、特に観光産業に力を入れています。
2024年にはタイには約3,940万人もの外国人が訪れ、 同じ年の日本(約3,687万人)を上回りました。
外国人に人気なタイの観光地はバンコク、チェンマイ、プーケット島などです。
私はタイが観光大国として発展できたのは、フィリピンやミャンマーに比べて治安が良く、ベトナムのようにバイクが多くないため歩きやすく、またイスラム教のインドネシアに比べて価値観の違いが少ないことなどが理由だと思っています。
ただ、コロナの時に観光業が停滞したことなども関係して、最近の経済成長率は2%前後と、ベトナムやフィリピン(6〜7%)に比べると少しゆるやかです。
しかし近年、タイへの中国人の旅行者が減る一方、戦争から逃れてきたロシア人を多く受け入れるなど、観光に引き続き力を入れています。
(ロシア人にノービザで90日滞在可能という異例の対応を取り、リゾート地として有名なプーケット島はリトル・モスクワと呼ばれているほどロシア人が多く訪れているそうです。)
まとめ

タイ族は、「自由の民」という名の通り、東南アジアの中でも独立を守り続けてきた伝統のある人々です。
現在のタイは、観光業を大きな強みにしており、その守り抜いてきた伝統文化を世界に発信しています。
私も以前にタイを訪れたことがありますが、他の東南アジアの国々と比べて植民地時代の西洋建築が少なく、タイの町並みの中に独自の伝統や雰囲気がしっかりと残っていると感じました。
