タミル語の特徴|インドで最も歴史のある言語

世界の言語

タミル語は、主にインド南部のタミル・ナードゥ州や、スリランカ北部などで話されています。

さらに、シンガポールやマレーシアにも多くのタミル語話者がいます。

タミル語の特徴は、紀元前1,500年くらいに生まれたインドの中でも非常に歴史のある言語であるということです。

そのため、タミル語を学ぶことはインドの奥深い歴史や文化を知ることにつながると思います。

この記事では、タミル語の 文字・単語・文法・発音の特徴と学ぶメリットを、初心者向けに分かりやすく解説していきます。

① タミル語の文字 ― 丸みのある美しい文字体系 ―

タミル語は、タミル文字と呼ばれる独自の文字を使っています。

母音が12文字、子音が18文字あり、合計30文字で成り立っています。

特徴的といえるのは、文字全体がとても丸い形をしていることです。

かつてヤシの葉に文字を刻んでいたため、書きやすいように直線が少ない形に発展したからだそうです。

これはミャンマー語やタイ語の文字の形が丸いのとも同じ理由です。

日本人にとっては、タミル語の形はとても独特に見えますが、数は限られているので、慣れてきたらスムーズに読めるようになると思います。

② タミル語の単語 ― 北インドの言語とは大きく異なる ―

タミル語の単語は、北インドのヒンディー語などとは大きく異なります。

例えば 「人」 という単語は、

タミル語 : மக்கள் (Makkal)

ヒンディー語 : लोग (log)

となり、タミル語とヒンディー語では全然異なることが分かります。

これには、北インドがイランや中央アジアにルーツをもつアーリア系文化の影響を受けてきた一方で、南インドは先住民のドラヴィダ系の文化を中心に発展してきたという歴史的な違いが関係しています。

そのため、ヒンディー語とはまた異なるインドの言語を学んでみたいという方にはタミル語はとても良い選択肢の1つになると思います。

③ タミル語の文法 ― 語順は日本語と同じSOV ―

タミル語の基本語順は、SOV(主語 → 目的語 → 動詞)です。

これは日本語と同じ語順なので、日本人学習者にとってはスムーズに理解しやすいと思います。

例えば「私はリンゴを食べる」は、

நான் ஆப்பிள் சாப்பிடுகிறேன் (Nāṉ āppil sāppiṭugiṟēṉ)

私 → リンゴ → 食べる

という順番になります。

またタミル語では、日本語の「助詞」にあたる働きを、名詞の語尾で表します。

つまり、日本語で「~が・~を・~に・~で」と言う部分が、タミル語では名詞の後ろに直接くっつくのです。

例えば、「家で」という表現は

வீடு (Vitu) : 家

வீட்டில்(Vittil) : 家で

というように、場所を表す語尾 -இல்(-il) を付けて表します。

この仕組みは、日本語や韓国語の助詞と非常によく似ていると思います。

そのこともあり、韓国では「タミル語と韓国語が似ている」と盛り上がることもあるそうです。

④ タミル語の発音 ― 日本語に近いが音の区別が多い ―

タミル語の母音は12つもあり、非常に多いといえます。

a / ā / i / ī / u / ū / e / ē / o / ō / ai / au

短母音と長母音の区別があるのが大きな特徴で、発音する長さの違いによって、単語の意味が変わることもあります。

例えば、

கல்(kal/短いa):石

கால்(kāl/長いā):足

というように母音の発音を長くするだけで違う単語になります。

また、子音には、「舌を強く巻く音」や「軽く弾くような音」など、日本語にはあまりない発音も含まれます。

例えば、

ட(ṭ): 日本語の「タ」に近いが、舌を奥に巻く音

ர(r): 軽く弾く英語のrに近い音

などがあります。このようにタミル語には日本語には見慣れない発音がいくつかありますが、たくさん練習して慣れることが重要だと思います。

⑤ タミル語を学ぶメリット ― 北インドとはまた違う文化を知ることができる ―

タミル語を学ぶ大きなメリットの一つは、ヒンディー語を中心とする北インドとは異なる文化圏に触れられるということです。

インドは一つの国でありながら、北と南で言語や文化、価値観が大きく異なります。

そのため、タミル語圏の映画や音楽、人々の価値観には北インドとはまた違った魅力があります。

特にタミル語の映画産業である「コリウッド」はインド有数の規模であり、近年では年間の映画製作本数がボリウッドを上回ったとも言われています。

まとめるとタミル語を学ぶことで、インドが地域ごとに異なる多様で奥深い文化があることを実感できるようになります。

まとめ

タミル語は、独自の丸みのある独自の文字、日本語と同じSOV語順、12つの母音という特徴を持っている南インドの言語です。

文字や発音は一見すると難しそうに見えますが、パターン化されているので、慣れてくれば簡単に思えてくると思います。

インドや南アジアの文化に興味がある人にとって、タミル語はとても学びがいのある言語だといえるでしょう。