シリアの主要都市4選 |古代都市から内戦の象徴まで

世界の都市

シリアは人口約2,200万人を抱える中東の国で、紀元前約4,000年に生まれたメソポタミア文明の中心地でした。

そのため、シリアの首都ダマスカスは、世界でもっとも長い歴史を持つ都市の1つとして知られており、建築や観光地には、長い歴史を感じさせるものが多いです。

また、シリアは2011年以降内戦が起こっている国としても知られています。

内戦が起こった理由を簡単に説明すると、長年のアサド政権の独裁への不満がシリア国民の間にたまっていたからです。

そして、2011年のエジプトやチュニジアの「アラブの春」という民主化デモを見たシリア国民たちは、シリアでも民主化を進めようとしましたが、政府がデモを弾圧したことで、政府と民主派の間で対立が深まっていきました。

つまり、シリアとは6,000年以上前から続く奥深い文明を持ちながら、現代では独裁か民主かで揺れ動いている国です。

今回は、シリアを代表する4つの都市 ― 首都ダマスカス、古代都市アレッポ、内戦の象徴ホムス、地中海に面した港町ラタキア ― について紹介していきたいと思います。

➀ ダマスカス — 世界で最も古い都市のひとつ

ダマスカスはシリアの首都で、人口は約200万人ほどとされています。

アラブ系のシリア人が主流で、その多くがイスラム教のスンニ派を信仰しています。

シリアの人口が約2,500万人ほどしかいないこともあり、イランの首都テヘランやイラクの首都バグダッドなどと比べると、かなり小規模な都市です。

しかし、ダマスカスはメソポタミア文明の時代から中心地の1つだったため、「世界で最も古くから人が住み続けている都市」と言われるほど長い歴史を持っています。

また、7世紀ごろには「ウマイヤ朝」とよばれるイスラムの最初の王朝が建てられました。

特にダマスカスの建築で有名なのは「ウマイヤド・モスク(Umayyad Mosque)」です。

イスラム教の中でもとても重要な歴史的建造物とされています。

私が写真でウマイヤド・モスクを見たとき、イランやイラクのモスクよりも、少しヨーロッパ風の印象を受けました。

これは、もともとキリスト教の聖堂を改装して作られたことが関係しているといわれています。

また、ダマスカスの街並みには、白やグレーの色をした建物がたくさん並んでおり、低めのアパートのような形の建物が中心になっています。

昔の中東らしい雰囲気が残っており、少し古くて落ち着いた印象を受けます。

② アレッポ — かつてシルクロードで栄えた都市

アレッポは人口約160万人ほどの都市で、古くからシルクロードの重要な通り道として栄えてきました。

また、中世にはイラクのバグダッドとエジプトのカイロと並んで、イスラム世界の三大都市といわれていた時期もありました。

アレッポ旧市街の中心にある「アレッポ城(Citadel of Aleppo)」はとても巨大で、世界遺産にも登録されています。また、アレッポは世界の石けんが生まれた場所としても知られています。

その中でも特に有名なのは、オリーブオイルから作られる「アレッポ石けん」です。

アレッポは2011年に起こったシリア内戦によって大きな被害を受けた都市でもありますが、現在は復興が進んでいるそうです。

③ ホムス — シリア内戦の象徴となった都市

ホムスは人口約80万人の都市で、シリアの中央に位置しています。

この都市は、シリア内戦において最も激しい戦闘があった場所のひとつとしてニュースで話題になり、世界的に知られるようになりました。

ホムスにある観光地は「ハリド・イブン・アル=ワリード・モスク(Khalid ibn al-Walid Mosque)」が有名で、銀色のドームがいくつも並んでいるのが特徴的です。

しかし、こちらの建物も内戦によって一部分が壊れてしまったといわれています。

ホムスにはそのような場所が多いですが、現在は少しずつ街の再建が進められています。

④ ラタキア — シリア最大のリゾート都市

ラタキアは人口約40万人で、シリア北西部の地中海沿いに位置しています。

シリア最大の港町であり、石油や農作物の貿易の玄関口としての役割を担っています。

また、ラタキアに住む多くの人々は、イスラム教のシーア派の中の一派である「アラウィー派」を信仰しています。

アラウィー派は、イスラム教では珍しく輪廻転生を信じていたり、宗教的な儀式が外部の人には秘されていたりするなど、かなり特殊な一派とされています。

また、アサド政権の強い支持基盤ともされているそうです。

さらに、ラタキアはリゾート地としても知られています。

「ラタキア・ビーチ」の海はとても綺麗で、夏になるとたくさんの観光客が訪れるといわれています。

中東というと砂漠のイメージがとても強かったため、ラタキアのようなリゾート地があることに少し驚きました。

まとめ

シリアには、首都ダマスカス、シルクロードで栄えたアレッポ、内戦の象徴ホムス、リゾート都市ラタキアなど、歴史や文化の奥深さを感じさせる都市が多くあります。

現代では内戦のイメージが強いシリアですが、約6,000年前のメソポタミア文明の時代から栄えてきた、非常に伝統のある国でもあります。