スロベニア語は、主にバルカン半島北西部のスロベニアを中心に、約200万人に話されている言語です。
スロベニア語は、旧ユーゴスラビア時代において、セルビア語やクロアチア語などと同じく南スラヴ語派に属する言語でした。
しかし、スロベニア語はこれらの言語とは少し立ち位置が異なり、セルボ・クロアチア語として一体化されることはありませんでした。
スロベニアは長い間オーストリア・ハンガリー側にあり、ドイツ語やハンガリー語の影響を強く受けていたからです。
そして、1991年にユーゴスラビアが解体されると、スロベニアは比較的短期間で独立を達成し、スロベニア語もそのまま国語としての地位を維持しました。
この記事では、スロベニア語について、文字・単語・文法・発音の特徴と、学ぶメリットを、初心者向けに分かりやすく解説していきます。
① スロベニア語の文字 ― ラテン文字のみを使用 ―

スロベニア語は、英語などで使われているラテン文字だけを使用します。
旧ユーゴスラビア諸国の中では、セルビアやモンテネグロなどではロシア語の文字も使われることがあるのですが、スロベニア語は一貫してラテン文字のみという点が大きな特徴です。
使用される文字は、基本的に英語のアルファベットと同じですが、以下のような記号付き文字が使われます。
č š ž
これらは、クロアチア語などと共通しており、
š:英語の sh
č:英語の ch
ž:英語の s(measure のような音)
に近い発音です。
② スロベニア語の単語 ― 周辺言語と部分的に共通している ―

スロベニア語は、セルビア語やクロアチア語などと多くの単語が共通しています。
ただし、共通している割合はおよそ60〜70%程度とされており、モンテネグロ語やボスニア語ほどは高くはありません。
例えば「水」という単語は、
スロベニア語:voda
セルビア語:voda
クロアチア語:voda
と共通していますが、「都市」という単語では、
スロベニア語:mesto
セルビア語:grad
クロアチア語:grad
のように異なる場合もあります。このように、語彙の違いからも、スロベニアが旧ユーゴスラビアの一員でありながら、独自の文化や言語を持っていることが分かります。
③ スロベニア語の文法 ―双数(2)と複数(3以上)が区別される ―

スロベニア語の文法は語尾の変化によって、日本語でいう 「〜が」 「〜を」 「〜に」といった意味を表します。
例えば「学生」という単語 študent は、
študent(学生は)
študenta(学生を)
študentom(学生と)
のように形が変化します。
さらに、スロベニア語には、「双数(2人・2つ専用の文法)」が今も残っているという特徴があります。
多くの言語では、単数(1)と複数(2以上)しかありません。
しかし、スロベニア語では、単数(1)、双数(2)、複数(3以上)が明確に区別されます。
例えば「手(roka)」という名詞では、
ena roka(1本の手)
dve roki(2本の手)
tri roke(3本以上の手)
のように、2つのときだけ専用の形(roki)が使われます。これは、世界の言語の中でも珍しく、とても興味深いと感じました。
④ スロベニア語の発音 ― 規則的で読みやすい ―

スロベニア語の母音は、
a / e / i / o / u
の5つが基本で、日本語の 「あいうえお」 と近くシンプルです。
子音は約21つあり、日本語 (約14つ) より多いものの、
č(英語の ch)
š(英語の sh)
ž(measure の s の音)
といった記号付き文字があります。
また、スロベニア語は文字と音の対応がとても規則的で、英語のように書いてある通りに読めないということがほとんどなく、一度ルールを覚えれば、初めて見る単語でも正確に発音できることが多いです。
⑤ スロベニア語を学ぶメリット ― 希少性が高く、現地人と仲良くなりやすい ―

スロベニア語を学ぶメリットの1つとして、話せる人が少ない分、現地の人々との距離が縮まりやすく、フレンドリーに接してもらえることが挙げられます。
スロベニア語は話者数が約200万人ととても少なく、日本人で話せる人はほとんどいません。
そのため、スロベニア人に対してスロベニア語を少し話すだけでも「なぜスロベニア語を?」と強い関心を持たれ、会話のきっかけになりやすい言語です。
英語だけでは生まれにくい親近感や信頼感が生まれ、相手との距離が一気に縮まります。
特にスロベニアでは、現地語を話そうとする姿勢そのものが好意的に受け取られ、生活やビジネスの場面でフレンドリーな関係を築きやすくなります。
希少性が高いからこそ、人脈づくりに直結する言語だと言えるでしょう。
まとめ
スロベニア語は、バルカン半島北西部のスロベニアで話されている南スラヴ系の言語です。
旧ユーゴスラビア圏に属していましたが、セルビア語やクロアチア語とは異なり、早くから独立した言語として発展してきました。
そのため、話者数は少ないものの、独自の特徴を持っている言語です。
