ロシアは世界で一番国土が広い国で、人口は約1億4,000万人にのぼります。
ロシアはヨーロッパからアジアにまでまたがる国で、一般的にイメージされるスラヴ系の人々以外にも、モンゴル系のブリヤード人やイスラム教を信仰するタタール人など、多様な人々が暮らしています。
そのため、ロシアは都市によって大きく文化が異なっています。
今回の記事では、ロシアを代表する4つの都市である、首都モスクワ、文化都市サンクトペテルブルク、シベリア最大の都市ノヴォシビルスク、イスラム文化が残るカザンについて紹介したいと思います。
➀ モスクワ — ロシアの政治と経済の中心で、人口約1,200万人の大都市

モスクワはロシア最大の都市で、人口は約1,200万人とされています。
ヨーロッパでは、モスクワはパリやロンドンとともに大都市として比べられることが多いです。
モスクワはロシアの政治や経済の中心であり、多くの主要企業や国の機関が集まっています。
モスクワの観光地といえば、赤の広場が有名です。

赤の広場は、赤い広場だからそう呼ばれているわけではなく、ロシアの古語で「美しい広場」という意味から来ているそうです。
実際に、「赤」はロシア語で красный(クラスニー) と発音しますが、これは「美しい」を意味するロシア語 красивый(クラシビー) と似ています。
また、赤の広場はソ連時代には軍事パレードの舞台としても使われており、ソ連の軍事力をアピールする場でもありました。
広場の横には、玉ねぎ型のカラフルな屋根で有名な「聖ワシリイ大聖堂」が建っており、独特な建築でとても有名です。
皆さんも一度は写真で目にしたことがあると思います。

私は初めて見たとき、「カラフルなモスクみたいだ」という印象を受けました。
ロシア正教会の建築がイスラム教のモスクに少し似て見えるのは、中世のロシアがモンゴル(タタール)に約200年以上支配されていた歴史が関係しているといわれています。
当時のモンゴルの勢力にはイスラム文化も取り込まれていたため、その影響が建築様式にも広まり、ロシア正教会もモスクの影響を強く受けることになったそうです。
また、モスクワの観光地ではクレムリンもとても有名です。

クレムリンは赤の広場のすぐ近くにあり、現在は大統領の公邸として使われています。
さらに近年は高層ビルの建設も進んでおり、特にモスクワ・シティという地区の夜景はとても迫力があります。
ヨーロッパやロシアというと、あまり高層ビルが立ち並んでいるイメージがなかったので、少し驚きました。
また、モスクワには出稼ぎで来たキルギス人やタジキスタン人などの中央アジア系の人々が多く住んでおり、国際的な雰囲気があります。
② サンクトペテルブルク — ロシアが近代国家になるために作られた都市

サンクトペテルブルクは人口約550万人で、ロシア第2の都市です。
バルト海に面しており、EU(ヨーロッパ連合)のすぐそばにあるため、ヨーロッパ文化の影響を強く受けていることが特徴です。
実際、サンクトペテルブルクは1703年にロシア皇帝ピョートル大帝によって、「ロシアをヨーロッパ型の近代国家へと変えていくための象徴」として造られたと言われています。
そのため、サンクトペテルブルクには西ヨーロッパ風の建築が多く取り入れられています。
サンクトペテルブルクの観光地として特に有名なのが、世界三大美術館のひとつとされるエルミタージュ美術館です。

ここには膨大な収蔵品があり、フランスのルーヴル美術館と並ぶ存在だといわれています。
また、サンクトペテルブルクといえば、夏に見られる自然現象「白夜」も有名です。
夏のサンクトペテルブルクでは、夜でも完全に暗くならず、深夜でも街が明るく活動しているという不思議な体験をすることができます。
③ ノヴォシビルスク — シベリア最大の都市

ノヴォシビルスクは人口約160万人で、シベリア地方で最も大きな都市です。
地理的にはロシアのほぼ中央に位置しています。
ノヴォシビルスクについて語るうえで欠かせないのが、街の南部にある「アカデムゴロドク」と呼ばれる研究都市です。
アカデムゴロドクは、1950年代にソ連が科学技術研究を強化するために作った都市で、現在でもロシア全土から優秀な科学者や研究者が多く集まっています。
観光地では、ノヴォシビルスク国立オペラ・バレエ劇場が有名で、ロシア国内ではモスクワのボリショイ劇場にも匹敵する規模だといわれています。
また、ノヴォシビルスクは冬になると気温が−20℃以下になることも多く、シベリアらしい厳しい寒さが特徴です。旅行で訪れる場合は、夏ごろに行くことをおすすめします。
④ カザン — ロシア文化とイスラム文化が合わさった少数民族の都市

カザンは人口約130万人で、タタールスタン共和国の首都です。
「共和国」と聞くと独立した国のように感じられるかもしれませんが、実際には「自治区」に近い意味合いを持っています。
カザンは少数民族であるタタール人が多く暮らす地域で、宗教もイスラム教徒が多く、ロシア国内でも独自の文化を持つ都市です。
カザンで最も有名な観光地といえるのが、世界遺産にも登録されているカザン・クレムリンです。

クレムリンというとモスクワのイメージが強いですが、実はクレムリンは一般名詞で、ロシア各地に存在しています。
カザン・クレムリンでは、ロシア正教会の教会とイスラム教のモスクが並んでおり、ロシアの多様性を強く感じることができます。
まとめ

ロシアで有名な都市には、首都モスクワ、近代都市サンクトペテルブルク、シベリア最大の都市ノヴォシビルスク、少数民族の都市カザンなどがあります。
ロシアはヨーロッパとアジアにまたがる巨大な国であるため、都市ごとに雰囲気が大きく異なっています。
ロシアの都市を知ることで、帝政ロシア、ソビエト連邦、そして現代ロシアまで、幅広い歴史や文化を理解する手助けになると思います。
