ルーマニア語の特徴|スペイン語やイタリア語に似ている東欧の言語

世界の言語

ルーマニア語は、東ヨーロッパのルーマニアを中心に、約2,400万人に話されている言語です。

地理的には東ヨーロッパに位置していますが、ルーマニア語は周りのバルカン半島の言語とは異なり、スペイン語やイタリア語、ラテン語などと似ています。

これには現在のルーマニア周辺が古代にローマ帝国に支配されて、ラテン語が日常語として定着したことが関係しています。

その後、周りのバルカン半島の国々がスラヴ系の言語ばかり使われる中でも、ラテン語由来の言葉が消えずに残り続け、結果としてルーマニア語は東ヨーロッパで唯一の「ラテン語系の言語」となりました。

この記事では、ルーマニア語の文字・単語・文法・発音の特徴と、学ぶメリットを分かりやすく解説していきます。

① ルーマニア語の文字 ― 英語と同じラテン文字を使う ―

ルーマニア語は、英語と同じラテン文字を使います。

文字数は 31文字で、基本の26文字に加えて、ルーマニア語特有の発音を表す文字がいくつか追加されています。

ă â î ș ț

これらはそれぞれ次のような意味を持ちます。

ă:軽く発音する「あ」

â / î:「い」 と 「う」の間の音

ș:英語のsh

ț:英語のts

このように英語を学んでいても見慣れない文字がいくつかありますが、たくさん練習すれば自然と読めるようになっていくと思います。

② ルーマニア語の単語 ― ロシア語よりも英語に近く学びやすい ―

ルーマニア語の語彙の多くは、ラテン語由来です。

そのため、フランス語やイタリア語、スペイン語を学んだことがある方にとっては、意味を推測しやすい単語がたくさんあります。

さらに、英語もラテン語の影響を強く受けてきたので、英語とも似ている語彙が多いです。

例えば、「教育」という単語はそれぞれとても似ています。

英語:education

イタリア語:educazione

ルーマニア語:educație

そのため、東ヨーロッパの言語の中でも、ルーマニア語は例外的にロシア語よりも英語に近いので、日本人にとっては学びやすいと思います。

③ ルーマニア語の文法 ― SVOで英語と同じ語順 ―

ルーマニア語の基本語順はSVO(主語 → 動詞 → 目的語) で、英語と同じです。

例えば、「彼女はパンを買う」という文は次のような語順になります。

Ea cumpără pâine.

(彼女は → 買う → パンを)

また、ルーマニア語の名詞には、男性・女性・中性の3つの性があり、それによって形が変わることがあります。

例えば、「先生」 を表す名詞は、

男性:profesor

女性:profesoară

のように、話し手の性別によって語尾の部分が変化します。

そして、ルーマニア語には英語でいう “the” や “a” に相当するものが名詞の後ろにくっつくという、スペイン語やイタリア語には見られない特徴もあります。

例えば、

carte(本)

cartea(その本)

というようになります。

この点は、文法的に少し難しく感じる方も多い部分ですが、同時にルーマニア語らしさを強く感じられるポイントでもあります。

④ ルーマニア語の発音 ― 発音の数も多くなく、比較的シンプル ―

ルーマニア語の母音は次の5つがあります。

a / e / i / o / u

日本語の「あいうえお」に近く、母音はかなりシンプルといえます。

子音は約20個ありますが、英語 (約24個) よりは少なめです。

アクセントの位置は単語ごとに決まっていますが、フランス語のように不規則ではなく、慣れてくると自然に推測できるようになります。

⑤ ルーマニア語を学ぶメリット ― 東欧と南欧が合わさった感覚を味わえる ―

ルーマニア語を学ぶいちばんの魅力は、東ヨーロッパと南ヨーロッパの両方の文化を同時に感じられることです。

言語自体はフランス語やイタリア語と同じラテン語系なのに、歴史や宗教、生活は東欧寄りという「ちょっとズレた感じ」がルーマニア語ならではの面白さといえるでしょう。

さらに、学ぶ人がとても少ないので希少性が得られること、約2,400万人に通じてEUの公用語の1つでもあるので意外と実用性もあることなどのメリットもあります。

「定番のヨーロッパ語はもう知ってるけど、ちょっと変わった言語も学んでみたい」という方にとって、ルーマニア語はかなり面白い選択肢になると思います。

まとめ

ルーマニア語は、東ヨーロッパにありながらフランス語やスペイン語などに似ているというとても個性的な言語です。

ルーマニア語を学んでいくと、東ヨーロッパにまで広がっていたローマ帝国の影響が、言語を通して見えてきます。

少し違った角度から文明や文化を感じてみたい方にとって、ルーマニア語はとても良い言語になると思います。