「インド料理」と聞いて、多くの日本人が思い浮かべるのは、ナン、バターチキン、濃厚でスパイシーカレーなどではないでしょうか。
しかし実際のインド人の日常の食事は、こうしたイメージとはかなり違います。
結論から言うと、北インドでは
ロティ(全粒粉を水でこねて焼いたパン)
ダール(豆を煮こんだカレースープ)
が主に食べられています。
そして南インドでは、
お米
サンバル(豆と野菜を煮こんだカレースープ)
が日常食となっています。
このように、実際のインドの家庭では、日本のインド料理店でよく見かけるようなナンや濃厚なカレー、タンドリーチキンといった料理は、それほど頻繁には食べられていないのが実情です。
この記事では、インドで本当に食べられている日常食について分かりやすく解説していきます。
① 北インドの日常食 – ロティとダール –

北インドの家庭では、主食は米ではなくロティが中心です。
ロティとは、油を使わない全粒粉のパンで、見た目も味もとても素朴なのが特徴的です。
そこにダールを合わせて食べるのが一般的です。
ダールはレンズ豆を煮て、塩や少量のスパイスで味付けしただけの料理です。
また、それに加えてサブジと呼ばれる少量の野菜も食べることも多いそうです。
このロティ+ダール+少量の野菜という組み合わせが、北インドではほぼ毎日登場します。
そして、肉料理は、週1回あるかどうかで、バターチキンのような濃厚カレーは、外食や特別な日にだけ食べるそうです。
② 南インドの日常食 – 米とサンバル –

南インドの食文化は北インドとは大きく異なっています。
主食は圧倒的に米で、ロティはほとんど食べません。
そして、米に主にかけるのは、サンバルと呼ばれる、さらさらした豆のスープです。
サンバルは脂っこくなく酸味があるため、暑い気候でも食べやすいそうです。
南インドでは、「ご飯に汁をかけて食べる」というスタイルが基本で、日本のお茶漬けや味噌汁ご飯に近い感覚があります。
③ 「毎日カレー」は本当だが、意味が違う

よく「インド人は毎日カレーを食べる」と言われますが、これは半分正しく、半分誤解です。
インドで言う「カレー」は、日本のカレーのような小麦粉ルウでとろみをつけた料理を指す言葉ではありません。
インドでは、豆や野菜をスパイスと一緒に煮込んだ料理を広い意味で 「カレー」 と呼ぶことが多いのです。
そのため、
ダール(豆の煮込み)
サンバル(豆と野菜のスープ)
といった、料理も、インドでは「カレー」 として扱われます。
つまり、「毎日カレーを食べる」という言葉は、毎日バターチキンや濃厚カレーを食べているという意味ではありません。
実際には、インド人が毎日食べているのは、豆やスパイスを煮込んだ、とても軽めな料理なのです。
④ インド料理はベースは少ないが、バリエーションは多い。

インドで食べられている料理のうち約7~8割は、先程紹介した 「ロティ + ダール」、「お米 + サンバル」 となります。
そう聞くと、「パンや米と豆ばかりで飽きそう」と思うかもしれません。
しかし実際には、使う豆の種類やスパイスの配合の仕方が無数にあり、同じダールでも別料理レベルで味が変わるそうです。
例えば、有名な豆には以下のものがあります。
トゥールダール (一番定番でほんのり甘みがある)
マスールダール (クセが少なく日本で一番入手しやすい)
ムングダール (かなりあっさりしていて消化にいい)
このようにベースは少ないが、バリエーションは無限というのがインド料理の本質なのです。
まとめ
インド人のリアルな日常食は、ナンでもバターチキンでもなく 「ロティ + ダール」、「お米 + サンバル」 で軽めの豆を煮込んだスープが食べられています。
もしインド料理を理解したいなら、レストランのメニューではなく、この日常の4つの料理を知ることが、一番の近道かもしれません。
