パンジャーブ語の特徴|インドとパキスタンをまたいで話される言語

世界の言語

パンジャーブ語は、主にインド北西部のパンジャーブ州とパキスタン東部のパンジャーブ地方を中心に話されている言語です。

話者数は約1億2,000万人以上 とされており、インドとパキスタンの両国にまたがって使われている、南アジア最大級の言語のひとつです。

私はパンジャーブ語に対してとてもマイナーなイメージを持っていたので、日本の人口と同じくらい話者数がいるということに驚きました。

この記事では、パンジャーブ語の文字・単語・文法・発音の特徴と学ぶメリットについて、初心者向けに分かりやすく解説していきます。

① パンジャーブ語の文字 ― 2種類の文字がある―

パンジャーブ語の文字の最大の特徴はインド側とパキスタン側で2つの文字があるということです。

インドのパンジャーブ州では、グルムキー文字(Gurmukhi)と呼ばれる文字が使われています。

例えば、

ਪ ਮ ਲ

などの形をしています。

その一方で、パキスタンではシャームキー文字(Shahmukhi) とよばれる文字が使われています。

これは、アラビア語にとても近い文字です。

このように同じ言語なのに、使う文字がまったく違うという点は、パンジャーブ語ならではのユニークな特徴と言えるでしょう。

② パンジャーブ語の単語 ― ヒンディー語と似ているが独自性も強い ―

パンジャーブ語の語彙は、インド最大の言語であるヒンディー語ととても似ており、約3分の2ほどは共通しているそうです。

例えば「人」という単語は、

パンジャーブ語:ਇਨਸਾਨ (insān)

ヒンディー語:इंसान (insān)

と、発音も意味もほぼ同じです。

その一方で、パンジャーブ語には独自の口語表現や言い回しもたくさんあり、ヒンディー語話者でも完全に理解できるわけではありません。

③ パンジャーブ語の文法 ―日本語とよく似ている―

パンジャーブ語は、日本語と同じようにSOV(主語 → 目的語 → 動詞)の順番で文が作られます。

そのため、日本語話者にとってこの部分は比較的理解しやすいです。

また、パンジャーブ語では英語のような前置詞は使わず、名詞の後ろに後置詞と呼ばれる助詞のような語尾を付けます。

例えば、

–ਨੂੰ (-nū̃):〜を/に

–ਵਿੱਚ (-vicc):〜で/の中で

この点も、日本語話者にとっては比較的理解しやすい点と言えます。

インドの言語というと、日本語とはあまり共通点がないイメージがありますが、実は文法においてはヨーロッパの言語よりも似ているのです。

④ パンジャーブ語の発音 ― 強いアクセントと有気音 ―

パンジャーブ語は、母音が10個、子音が35個あるとされています。

そして、パンジャーブ語の発音の大きな特徴は、子音をはっきり強く出すことが多いという点です。

特にパンジャーブ語では、「息を出すか・出さないか」がとても重要です。

同じ「タ」に聞こえても、息を強く出す音(有気音)と息をほとんど出さない音(無気音)をはっきり区別します。

例えば、

ਤ (ta):息をあまり出さない「タ」

ਥ (tha):息を強く出す「タ」

このように、息の強さが違うだけで別の音として扱われるのがパンジャーブ語の大きな特徴です。

これは日本語ではほとんど意識されないので、パンジャーブ語学習では最初につまずきやすいポイントと言えるでしょう。

また、パンジャーブ語は感情表現が豊かで、抑揚が強い言語であることでも有名です。

歌や詩、ラップとの相性が非常によく、パンジャーブ音楽はインドやパキスタンで非常に人気があります。

⑤ パンジャーブ語を学ぶメリット ― シク教と北インド文化を理解できる ―

パンジャーブ語を学ぶ最大のメリットは、主に3つあります。

1つ目は、日本語と同じくらいの話者数がいるということです。

パンジャーブ語は、インドとパキスタンにまたがって話されており、話者数は1億2,000万人以上にのぼります。

そのため、インド人やパキスタン人向けにインフルエンサーをしたい方やビジネスをしたい方には、パンジャーブ語を身につけるというのは、良い選択肢の1つになると思います。

2つ目は、シク教と呼ばれる宗教を深く理解できることです。

シク教は、カースト制度を否定し、身分・性別・民族の平等を唱えた宗教で、15世紀にパンジャーブ地方で生まれました。

シク教の聖典『グル・グラント・サーヒブ』はパンジャーブ語(グルムキー文字)で書かれています。

そのため、パンジャーブ語を学ぶことは、シク教の思想や価値観を、翻訳を通さずに理解することにもつながります。

3つ目は、パンジャーブ語の音楽が南アジアでとても人気があることです。

パンジャーブ語は力強い発音とリズム感があり、音楽との相性が抜群です。

そのため、パンジャーブ語の音楽はインドやパキスタンなどの南アジアで非常に人気があります。

南アジアの現代音楽に興味がある方は、パンジャーブ語を身に付けると、直接歌詞を理解することができるようになるので、面白いかもしれません。

まとめ

パンジャーブ語は、インドとパキスタンをまたいで約1億2,000万人に話されている南アジア有数の言語です。

エネルギッシュで表現力がとても高い言語なので、北インドの文化や音楽、宗教に興味がある方には、非常におすすめできる言語です。