マラーティー人とは?ボリウッドを生んだ情熱的な西インドの民族

世界の人々

インドに興味がある方なら、「ボリウッド映画」と呼ばれるインド版ハリウッドのような映画を見たことがある人も多いのではないでしょうか。

そんな映画産業の中心地と言えるムンバイには、「マラーティー人」と呼ばれる人々が多く住んでいます。

マラーティー人(Marathi)は、インド西部を中心に暮らす民族で、文化や経済面で大きな影響力を持つ人々です。

「マラーティー」という単語は聞きなれない名前だと思いますが、これは古代インドの言葉であるサンスクリット語で「偉大な土地」という意味から来ているそうです。

今回はそんなマラーティー人の文化・社会・歴史などについて詳しく解説していきます。

① マラーティー人の雰囲気

マラーティー人の外見は小麦色の肌に黒髪、黒い瞳をしていることが多いとされています。

私が見た印象では、マラーティー人は北インドの人々、つまりデリーなどに住んでいる人々よりも少し南方的な雰囲気をしている人が多いと感じました。

ただし、民族的には北インドのヒンディー語話者とも近く、南インドの人々のように大きな違いがあるわけではないようです。

② マラーティー人の文化と暮らし

マラーティー人が住むマハーラーシュトラ州の食文化は、デリーなどとは異なる部分も多いです。

代表的な料理には、ライスを使った軽食「ポーハ」や、インド風バーガー「ワダパウ」などがあります。

私は「インド料理=カレーとナン」というイメージを持っていたので、西インドではバーガーや軽食など、多様なものが食べられていて興味深いと感じました。

また、マラーティー人の中心地ともいえるムンバイはインド最大の商業都市であり、先ほど述べた通りボリウッド映画の中心地としても知られています。

私はボリウッド映画の音楽をよく聴くのですが、日本や韓国、西洋の音楽とはまた違った魅力があると感じています。

皆さんもインドに興味がある方は Spotify で「Bollywood」などと検索してみることをおすすめします。

また、ムンバイはインド最大級の都市の1つで、デリーと違い高層ビルがたくさん立ち並んでいます。

そのため、デリーとムンバイ両方を訪れた人々は、ムンバイの方が発展しているという印象を受ける人が多いです。

③ マラーティー人の言語

マラーティー語(Marathi)はインド・ヨーロッパ語族に属しており、ヒンディー語や英語、ペルシア語などと同じルーツを持っていて、6,000年ほど前に分化したとされています。

そして、文字はヒンディー語と同じデーヴァナーガリー文字を使用しています。

上の写真を見ていただければわかるように、かなり独特な文字だといえるでしょう。

また、ヒンディー語とマラーティー語は語彙や文法の約6〜7割が共通しているとされています。そのため、互いにある程度理解し合えると言われています。

例えば、「水」はヒンディー語では पानी (pānī) と言い、マラーティー語でも पाणी (pāṇī) と言います。

デリーなどに住むヒンディー語圏のインド人は、マラーティー語を少し古風で歌うようなリズムを持つ言葉と感じる人が多いそうです。

これは、マラーティー語のほうが古代インドの言語・サンスクリット語の特徴を強く残しているためとされています。

④ マラーティー人のルーツと歴史

マラーティー人が暮らす西インドは、19世紀にイギリスの植民地となるまで、デリーなどがある北インドとは別の王国――マラータ王国として存在し、北インドとはしばしば対立関係にありました。

つまり、今では「インド」としてひとまとめに語られることが多いですが、わずか200年前までは西インドと北インドはまったく別の国だったのです。

そのため、マラーティー人が暮らす西インドは、多くの日本人が思い浮かべる“北インドのインド”とは違い、独自の歴史と魅力を持っています。

また、現代ではマラーティー人はボリウッド映画を生み出した民族として知られ、インドの芸能や映画産業の中心的な存在となっています。

実際、「ボリウッド」という名前は、ムンバイの旧名「ボンベイ」と「ハリウッド」を組み合わせたもので、ムンバイがインドの芸能の中心地であることを象徴しています。

この事実は、個人的には少し意外でした。

なぜなら、ボリウッド映画の多くはヒンディー語で作られているため、てっきりデリー周辺(北インド)が中心だと思っていたからです。

しかし調べてみると、実際の映画制作の拠点はムンバイ(マラーティー語圏)であり、全国向けに売るためにヒンディー語で作られているということでした。

つまり、言語としてはヒンディー文化圏ですが、実際の産業の中心はマラーティー人の地——ムンバイなのです。

⑤ マラーティー人の社会と経済

マラーティー人が多く住むムンバイは、デリーよりも平均所得が高く、インドで最も裕福な都市の一つとされています。

そして、ムンバイにはインドの金融、映画、ITの中心地として、国内外から多くの企業が集まっています。

そのため、インドでビジネスをしたい方にとっては、ムンバイはデリーやバンガロールと並ぶ候補の1つになるでしょう。

まとめ

マラーティー人は、インド最大の映画産業ボリウッド文化の生みの親であり、インドの文化と芸能の中心的存在と言えます。

また、彼らが住んでいるマハーラーシュトラ州にはムンバイというインド有数の大都市もあり、経済面においても大きな力を持っています。

私は現代インドの文化や経済を理解するために、マラーティー人について知ることは欠かせないと感じています。