マケドニア語の特徴|ブルガリア語に近い旧ユーゴスラビアの言語

世界の言語

マケドニア語は、主にバルカン半島の北マケドニアを中心に、約200万人に話されている言語です。

マケドニア語は、セルビア語やブルガリア語などと同じく南スラヴ語派に属する言語です。

しかし、マケドニア語はブルガリア語ととても似ていながらも、異なる部分もあり、「ブルガリア語の方言なのか、独立した言語なのか」を巡って長い間議論されてきました。

1945年に入ってから、ユーゴスラビア内にマケドニア社会主義共和国が成立し、正式にマケドニア語が1つの言語として認められました。

ちなみに、現在北マケドニア共和国と呼ばれているのは、「マケドニア」という名前がギリシャの地域名と重なっていたためです。

そのため、独立した頃に国名を巡ってギリシャとの間で意見の食い違いがあり、長い間話し合いが続きました。

その結果、2019年に「北」を付けることで、ギリシャのマケドニア地方とは別の国であることを示し、お互いが納得する形で合意になりました。

「北マケドニア」 という名前は、国際社会と上手くやっていくための、現実的な選択だったと言えます。

この記事では、マケドニア語について、文字・単語・文法・発音の特徴と学ぶメリットを初心者向けに分かりやすく解説していきます。

① マケドニア語の文字 ― ロシア語の文字のみを使う ―

マケドニア語は、ロシア語などと同じキリル文字のみを使用します。

旧ユーゴスラビア諸国の中では、クロアチアやスロベニアが英語と同じラテン文字を使うのに対し、マケドニア語はセルビア語よりも一貫してキリル文字中心に使います。

使用される文字は、ロシア語のキリル文字にも近いですが、マケドニア語独自の文字も含まれています。

代表的なものとして、

љ њ џ

などがあります。

љ:日本語の「リャ」に近い音

њ:日本語の「ニャ」に近い音

џ:英語の j(judge)のような音

これらは最初は難しく感じるかもしれませんが、数は少ないので慣れてきたらスムーズに読めるようになると思います。

② マケドニア語の単語 ― ブルガリア語と高い共通性 ―

マケドニア語は、特にブルガリア語と多くの単語が共通しています。

70〜80%程度の単語が同じとも言われていて、マケドニア語はセルビア語やクロアチア語よりもブルガリア語に近いです。

例えば「仕事」という単語では、

マケドニア語:rabota

ブルガリア語:rabota

セルビア語:posao

となり、マケドニア語とブルガリア語ではスペルが同じですが、セルビア語とは異なっています。

③ マケドニア語の文法 ― SVOの語順で、旧ユーゴスラビアでは珍しく前置詞を使う ―

マケドニア語の語順は、基本的に 英語と同じSVO(主語+動詞+目的語)です。

例えば 「私は本を読む」 という文は、

Jas čitam kniga.

(私は/読む/本を)

となります。

また、マケドニア語は他のユーゴスラビアの言語とは異なり、名詞の語尾の変化がほとんど存在しないです。

代わりにマケドニア語では英語の” on” や “in” のような前置詞を使います。

例えば「先生(učitel)」の場合、

od učitel(先生から)

so učitel(先生と)

のように、名詞自体の形はほとんど変わりません。

④ マケドニア語の発音 ― 母音が少ないが、子音はとても多い ―

マケドニア語の母音は、

a / e / i / o / u

の5つが基本で、日本語の「あいうえお」ととても近い構成です。

ただし、子音は約31つもあり、スラヴ語らしくとても多めです。

例えば、

ќ(kʼ): k をかなり柔らかく発音する音

lj(љ) : 「リャ」に近いが、より舌を強く上あごに付ける

などがあります。

そのため、最初は難しく感じられるかもしれませんが、発音とスペルが対応しているので、慣れていけば読むだけで発音が思い浮かぶようになると思います。

⑤ マケドニア語を学ぶメリット ― 希少性がとても高い ―

マケドニア語を学ぶ最大のメリットは、希少性の高さにあります。

話者数は約200万人と非常に少なく、日本人でマケドニア語を話せる人はほとんど存在しません。

そのため、現地で少しでもマケドニア語を使うと、「どうしてマケドニア語を知っているの?」「どこで勉強したの?」と強い関心を持たれることが多く、自然と会話が広がっていきます。

英語だけでは生まれにくい距離の近さが生まれ、生活や交流の場面で大きな武器になります。

まとめ

マケドニア語は、バルカン半島の北マケドニアで話されているスラヴ系の言語です。

旧ユーゴスラビア圏に属していて、ブルガリア語にとても近い特徴を持っています。

マケドニア語を学ぶ外国人はとても少ないため、現地で話すと親近感を持ってもらいやすく、マケドニアへの旅行や滞在に興味がある人にとって、良い選択肢と言えるでしょう。