リトアニア語は、北ヨーロッパの バルト三国のひとつであるリトアニアを中心に、約300万人ほどに話されている言語です。
話者数は決して多くありませんが、言語学の世界ではとても重要な言語として位置づけられています。
これは、リトアニア語が古代インドの言語であるサンスクリット語と似ているからです。
インドからヨーロッパにかけて広く話されている言語は、「インド・ヨーロッパ語族」と呼ばれていて、数千年前に同じルーツから枝分かれしたといわれています。
特にその中でもリトアニア語は、古代インドの言語の特徴を今も強く残している、貴重な存在だと考えられています。
この記事では、リトアニア語について、文字・単語・文法・発音の特徴と、学ぶメリットを、できるだけ分かりやすく解説していきます。
① リトアニア語の文字 ― 基本的に英語と同じ文字を使う ―

リトアニア語は、英語と同じラテン文字 を使って書かれます。
ただリトアニア語の文字数は全部で32文字あり、英語にはなくリトアニア語特有の記号が付いた文字もあります。
例えば、次のような文字です。
ą / ę / ė / į / š / ū / ž
具体的には、
ą / ę / į / ū:長めに伸ばして発音する母音
š:英語の sh に近い音
ž:vision の si のような濁った音
となります。
見た目は少し難しそうに見えますが、基本的に英語と似ているので、比較的すぐに慣れると思います。
② リトアニア語の単語 ― 古代インドの言語と似た雰囲気を持つ ―

リトアニア語の単語は、英語やロシア語と比べると、スペルや響きがかなり異なっています。
リトアニアというと、もともと旧ソ連だったので、ロシア語やポーランド語に近いと思っていたので、少し意外に感じられました。
その一方で、古代インドで使われていたサンスクリット語と呼ばれる言語に近い単語が、今も多く残っています。
例えば「羊」 という言葉は、
リトアニア語:avis
サンスクリット語:avi
とかなり似ていることがわかります。
③ リトアニア語の文法 ― 語順は英語と同じSVOで、語尾変化が多い ―

リトアニア語の語順は、基本的には英語と同じSVO(主語 → 動詞 → 目的語)が多いですが、文の語順は比較的自由です。
例えば「私は町を歩く」は、
Aš vaikštau mieste.
(私/歩く/町で)
となります。
そして、リトアニア語の大きな特徴が名詞の語尾が変化するということです。
例えば「家」を表す “namas” は、文の中での役割によって、次のように形が変わります。
~は:namas
~の:namo
~を:namą
このようにリトアニア語では、名詞の語尾を変化させることで、「何が主語なのか」「何を指しているのか」といった文法的な関係を表します。
④ リトアニア語の発音 ― 子音がとても多く、アクセントが不規則 ―

リトアニア語は、基本となる母音が次の6つあります。
a / e / i / y / o / u
また、子音は45個ほどあるとされていて、日本語よりもかなり多いです。
例えば、日本語にはない子音には次のようなものがあります。
r:舌を震わせる巻き舌の “r”
j:英語の “y” に近い音
g:日本語よりはっきりした “g” の音
最初は子音がとても多く難しいと感じられるかもしれませんが、たくさん練習して慣れることが大切です。
また、リトアニア語のアクセントは英語のように「だいたいこの位置にアクセントが来る」という決まりはなく、単語ごとにアクセントの位置を覚える必要があります。
⑤ リトアニア語を学ぶメリット ― ヨーロッパ最古級の言語に触れられる ―

リトアニア語を学ぶいちばんの魅力は、ヨーロッパの言語がどのようなルーツや歴史を持っているのかを、言語を通して感じられることにあります。
多くのヨーロッパの言語が、時代とともに少しずつ簡単な形へと変化していく中で、リトアニア語は、昔ながらの単語や文法を、大切に保ってきました。
そのためリトアニア語には、古代インドで使われていた サンスクリット語に似ている特徴が、ところどころに見られます。
ヨーロッパの言語でありながら、古代インドの言語と共通点があるという点はとても意外に感じられ、そこがリトアニア語の魅力のひとつでもあるのです。
まとめ
リトアニア語は、見た目こそ英語と同じラテン文字を使っていますが、古代インドの言語の特徴を感じさせる独特な語彙を持つとても個性的な言語です。
ヨーロッパの言語のルーツを感じてみたいという方にとって、リトアニア語はとても面白く学びがいのある言語だと思います。
