ラトビア語は、北ヨーロッパのバルト三国のひとつである ラトビアを中心に、約190万人ほどに話されている言語です。
ラトビア語はヨーロッパの数ある言語の中でも比較的古い特徴を残しているといわれる「バルト語派」の1つです。
バルト語派とされているのは、ラトビア語とリトアニア語の2つだけであり、そのどちらもヨーロッパの言語の中では非常に長い歴史を持っていることで知られています。
この記事では、ラトビア語について、文字・単語・文法・発音の特徴と、学ぶメリットを、できるだけ分かりやすく解説していきます。
① ラトビア語の文字 ― 英語と同じラテン文字を使う ―

ラトビア語は、英語と同じ ラテン文字を使って書かれます。
ただし、ラトビア語のアルファベットは 全部で33文字 あり、英語にはない記号付きの文字が含まれています。
代表的なものは、次のような文字です。
ā / ē / ī / ū
č / š / ž
ģ / ķ / ļ / ņ
具体的には、
ā / ē / ī / ū:長く伸ばして発音する母音
č:英語の ch に近い音
š:英語の sh に近い音
ž:vision の si のような濁った音
というようになります。
そのため、ラトビア語の見た目は英語よりも少し複雑に感じるかもしれませんが、完全に独自の文字を使うわけではないので、学習のハードルはそれほど高くありません。
② ラトビア語の単語 ― リトアニア語や古代インドの言語と似ている ―

ラトビア語の単語は、英語やドイツ語、ロシア語などとはあまり似ていません。
その一方で、ラトビア語は同じバルト語族に属するリトアニア語と似ています。
また、ラトビア語は数千年前にインドの言語と共通のルーツを持っていたことから、古代インドの言語であるサンスクリット語と共通点が見られるとも言われています。
例えば、「心・精神」という単語は、
ラトビア語:prāts
リトアニア語:protas
サンスクリット語:prājñā
というように、同じ語源を持っています。
③ ラトビア語の文法 ― 語順はSVOだが、語尾の変化が重要 ―

ラトビア語の語順は、基本的に 英語と同じSVO(主語 → 動詞 → 目的語) です。
例えば「私は町に住んでいる」は、
Es dzīvoju pilsētā.
(私/住む/町に)
という形になります。
そして、もう一つのラトビア語の大きな特徴は、名詞の語尾の変化が非常に重要だということです。
例えば「町」を意味する pilsēta は、文の役割によって次のように変化します。
~は:pilsēta
~の:pilsētas
~に:pilsētā
このように、語尾の変化によって「は」や「の」というような文の意味関係が示されます。
④ ラトビア語の発音 ― 母音は少なめで、いくつか日本語にはない子音がある ―

ラトビア語の母音は、基本的に次の6つです。
a / e / i / o / u / ā
āは長めに発音するaを表しています。
また、子音は約23種類あり、日本語よりも多めです。
しかし、リトアニア語の子音の数が約45種類あることを考えるとそれよりは少ないといえるでしょう。
例えば、ラトビア語の子音は次のような音が特徴的です。
r:しっかりと舌を震わせる巻き舌
j:英語の y に近い音
ģ :口の奥で柔らかく発音するg
また、アクセントは比較的一定しており、多くの単語で最初の音節にアクセントが置かれます。
この点は、アクセントが不規則なリトアニア語と比べると、学びやすいポイントと言えます。
⑤ ラトビア語を学ぶメリット ― 珍しいバルト語派の言語を知ることができる ―

ラトビア語を学ぶ魅力は、今では2つしか残っていないバルト語派の言語に、触れられるということです。
バルト語派は、ラトビア語とリトアニア語の2つを指し、インド・ヨーロッパ語族の中でも数千年前の古い特徴を多く残していることで知られています。
そのため、ラトビア語を学んでいくと、リトアニア語との共通点に気づいたり、ヨーロッパの言語のルーツが見えてきたりします。
ですので、ヨーロッパの言語の歴史やルーツに興味がある方にとって、ラトビア語はとても良い選択肢の1つになると思います。
まとめ
ラトビア語は、英語と同じラテン文字を使いながらも、他の多くのヨーロッパの言語とは異なる独自の進化を遂げてきた言語です。
リトアニア語とともに、現代ヨーロッパに残る貴重なバルト語派の言語のひとつで、言語の歴史やルーツに興味がある人には特に学びがいのある言語といえるでしょう。
