キルギス語の特徴|遊牧文化が受け継がれる国の言語

世界の言語

キルギス語は、主に中央アジアの キルギスで使われている言語です。

キルギスは旧ソ連の国であるため、約80%がロシア語を話すことができるそうなのですが、若者はキルギス語を話すようになってきているとも言われています。

また、キルギス語はウズベク語やカザフ語よりも歴史のある言語と知られています。

そのため、中央アジアの伝統的な遊牧文化や価値観を、より深く理解したい人にとって、キルギス語はとても魅力的な言語と言えるでしょう。

この記事では、キルギス語の文字・単語・文法・発音の特徴と、学ぶメリットについて、分かりやすく解説していきます。

① キルギス語の文字 ― キリル文字が使われている ―

現在のキルギス語は、ロシア語の文字と同じキリル文字を使って書かれています。

そして、ロシア語にはない文字もいくつかあります。

例えば、

Ө Ң Җ

などです。

そのため、フランス語や中国語などの言語に比べると、新しく文字を覚える必要があり、少し難しく感じられるかもしれません。

しかし、基本的にはキルギス語の文字はタイ語やアラビア語などとアルファベットと比較的似ているので、慣れてきたらスムーズに読めるようになると思います。

実際、私は以前ロシア語のキリル文字を学んだことがありますが、思っていたよりもかなり簡単に感じました。

② キルギス語の単語 ― カザフ語にとても近い ―

キルギス語は、テュルク語族というグループに属する言語です。

テュルク語族には、トルコ語をはじめ、キルギス語やカザフ語などの中央アジアの言語、中国のウイグル語などが含まれます。

特に、同じ中央アジアの言語でカザフスタンで話されているカザフ語とは日常的な単語や表現がかなり共通しています。

例えば、「家」という単語は、

キルギス語:үй (uy)

カザフ語:үй (uy)

と、同じ形をしています。

その一方で、トルコ語やウズベク語といった言語と比べると、キルギス語はペルシア語やアラビア語由来の単語が少なく、より「テュルク語らしい語彙」が多いのも特徴です。

③ キルギス語の文法 ― 日本語と同じSOVの語順 ―

キルギス語の基本的な語順は、日本語と同じSOV(主語 → 目的語 → 動詞)です。

例えば、「私は家に行く」という文は、

Men üyгө baram

私 / 家に / 行く

という語順になります。

そのため、キルギス語は文法が日本語に比較的近く英語よりも分かりやすく感じる人が多いです。

また、キルギス語には英語の will / can / must のような助動詞は少なく、動詞の語尾 によって「可能・条件・意志」などの意味を表します。

例えば

барам (baram) 行く

барсам (barsam) もし行けば(条件)

というようになります。

④ キルギス語の発音 ― 日本語にない発音も多い ―

キルギス語の母音は次の8つです。

a / e / i / o / u / ö / ü / ɯ

「あいうえお」 と同じ発音の他に日本語では見られない発音が3つあります。

これらは次のような発音です。

ö(「オ」と「エ」の中間音)

ü (「ウ」と「イ」の中間音)

ɯ(唇をほとんど丸めずに「ウ」)

また、日本語にはない子音として、

ң(ng の音)

қ(喉の奥で出す「カ」)

などがあります。

最初は難しく感じるかもしれませんが、慣れてくると安定して発音できるようになると思います。

⑤ キルギス語を学ぶメリット ― 豊かな自然や遊牧文化に触れられる ―

キルギスはポベーダ山やイシク・クル湖など、自然豊かな観光地が多く、田舎の穏やかさを感じたい方には向いている国だと思います。

そしてキルギスは世界でも珍しく現在でも遊牧民の文化が強く残っていて、日本にはない文化を感じたい人にも合っていると思います。

また、キルギス語で書かれた「マナス叙事詩 (英雄マナスを描いた物語) 」はユネスコ世界文化遺産にも登録されていて、世界的にも高く評価されています。

キルギス語を学ぶことは、ロシア語では見えにくいキルギス人本来の考え方や世界観に触れることができると思います。

まとめ

キルギス語は、ロシア語と同じキリル文字を使い、日本語と同じ語順で、テュルク語独自の単語を多く持っている言語です。

ロシア語とは異なる視点からキルギスという国を理解したい方にとって、キルギス語はとても学ぶ価値のある言語だと言えるでしょう。