キン族はベトナムの人口の約9割を占めている民族です。
そのため、ハノイやホーチミンなどで見かけるベトナム人の多くがキン族です。
一般的な日本人にとっては、ベトナムはタイなどと比べると馴染みがない国かもしれません。
しかし、実はベトナム人は約100年前まで日本人と同じように漢字を使っていて、ベトナム語と日本語は似ている単語も存在します。
例えば、日本語の「意見」とベトナム語で‘’ý kiến(イケン)‘などがあります。
意外と日本人にとって身近な国ということがお分かりいただけるのではないでしょうか?
今回のブログでは、そんなベトナム最大の民族「キン族」の文化や社会などについて分かりやすく解説していきます。
①キン族の雰囲気

キン族には中国南部の人々に近い雰囲気を持つ人も多いとされています。
これにはキン族が中国南部のルーツであることや、1,000年ほど中国に支配されていた時期があることなどが挙げられます。
また、キン族はアオザイとよばれる民族衣装を、記念撮影や重要な行事などで着ることも多いです。
②キン族の文化と暮らし

キン族の暮らすベトナムの大都市といえば、首都ハノイと経済の中心地ホーチミンです。
人口は両方とも800~900万人ほどで、2つとも同じような規模の大都市と言えます。
首都ハノイは、伝統的な中国の影響を受けた建築が多く、東南アジアよりも東アジアの雰囲気を感じられる場所だと思います。
また、フランスの植民地だったことから、下記写真のようなフランス風の西洋建築もたくさん建てられています。

そして、経済の中心地ホーチミンは高層ビルが多く、ブイビエンのようなバックパッカー街があり、日本人がイメージする東南アジア的な雰囲気があると思います。
私はベトナムの都市を、中国で例えるなら、ハノイは北京、ホーチミンは上海に近いと感じています。
そして、ベトナムの食事は麺料理のフォーが有名で、ベトナム人の主食とされています。

日本でも有名なので、一度は食べたことある人やcmなどで聞いたことがある人も多いのではないでしょうか?
そのフォーについて私が面白いと感じたのは、フォーがお米から作られているということです。
日本のうどんやラーメンなどは小麦から作られているので、それとはまた違った味わいになると思います。
私もベトナム料理でフォーを食べたことがあるのですが、口当たりがやさしく軽い感じがしました。
ただフォーだけだとお腹いっぱいにならない気もしたので、調べてみたところ、ベトナム人はフォーだけでは足りないので、プラスで揚げパンや春巻きを食べることも多いと言うことを知って納得しました。
③ キン族の言語

キン族が話す言語は、言うまでもなくベトナム語です。
現在はアルファベットが使われていますが、先ほども述べた通り、100年ほど前までは漢字をもとにした「チュノム(chữ Nôm)」が使われていました。
例えば、キン族は漢字で「京族」と書くことができます。
ちなみに、これは「中心の民族」という意味です。(これは中華民族という言葉の意味が「中心の民族」というのと似ていて、私は興味深いと感じました。)
このようにベトナム語は漢字で表記ができるのです。

そして、朝鮮半島でも80年ほど前までは漢字がよく使われていたことを考えると、日本・中国・韓国・ベトナムの4つは共通する文化圏にあると言えるかもしれません。
私はベトナム語を学んでいますが、発音は難しい一方で、漢字で表せるため覚えやすいのが助かっています。
例えば、「học=学」と覚えておけば、 「học sinh(学生)」「đại học(大学)」のように応用して覚えることができます。
このような点から、ベトナム語はタイ語などより日本人にとって覚えやすい言語と言えるでしょう。
④ キン族のルーツと歴史

キン族のルーツは中国南部の人々が南に移動したことからはじまったとされています。
古代にはベトナム独自の王朝があったのですが、紀元前111年からなんと約1,000年もの間、中国の支配を受けました。
しかし10世紀にベトナム人は独立を果たし、自分たちの国家である「大越」を築きました。
ちなみにこの時点では、大越の領土は北ベトナムだけであり、南ベトナムは「チャンパー」と呼ばれる別の王国でした。
文化もその2つの国では大きく異なっていました。
北ベトナムのある「大越」は中国の文化的影響が強かったのに対して、南ベトナムのある「チャンパー王国」はカンボジアの影響が強かったのです。
しかし、18世紀頃にはグエン王朝が南北統一に成功します。

ちなみに、現在、ベトナム人のおよそ4割が「Nguyen(グエン)」という姓を名乗っています。
これは、過去に前の王朝の姓(李や陳など)を持つと処罰されることがあったため、多くの人々が政治的な安全を求めて「グエン」という姓へと名前を変えたことが理由とされています。
その後ベトナムはフランスに約100年の間植民地支配されますが、1945年に「ベトナム民主共和国」として独立します。

ちなみにベトナムの都市「ホーチミン」は、その独立の時の指導者の名前で、もともとはサイゴンと呼ばれていました。
しかし、冷戦の影響もあり、アメリカがベトナム南部で影響力を強めようとしたことから、北ベトナムと南ベトナムが対立します。
そして、この対立は「ベトナム戦争」と呼ばれる長い戦いへと発展しました。10年以上続いた戦争は、1975年に北ベトナムが勝利し、南北は統一されて現在の「ベトナム社会主義共和国」となりました。
歴史的に見て、北ベトナムと南ベトナムが同じ国だった時代は実はそんなに多くはありません。
そのため、ハノイの人とホーチミンの人はお互い対抗心や競争心を持っているなどとも言われています。
⑤ キン族の社会と経済

キン族が多く住むベトナムの経済成長率は7〜8%と世界でもトップクラスで高いです。
最近の日本やヨーロッパの経済成長率は約0~1%、中国でも約5%ということも考えると、ベトナムの勢いがいかに大きいかわかるでしょう。
また、現在はおよそ65万人のベトナム人が日本に住んでおり、 数年後には在日外国人の中で中国人を超えて一番多くなると予想されています。
実は日本とも繋がりが深い国なので、ベトナムに興味がある方はベトナム語を勉強して希少な人材になるのもいい選択肢だと思います。
ちなみに、私も日本とベトナムのビジネスにチャンスがあると感じていて、ベトナム語を勉強しています。
まとめ

キン族はベトナム最大の民族であり、中国やフランスの影響を受けながらベトナムという国の文化や社会を形作ってきた人々です。
そして、そんなキン族はもともと日本と同じ漢字文化圏の人々であり、日本に約65万人ほども住んでいて、実はかなり身近な存在です。
