カザフ語は、主に中央アジアの カザフスタンで使われている言語です。
カザフスタンは旧ソ連の国であるため、現在でもロシア語が広く使われており、多くの人がロシア語とカザフ語のバイリンガルだそうです。
一方で近年は、カザフスタンの若い世代を中心にカザフ語を重視する動きが強まっているとも言われています。
実際、カザフスタンでは2020年頃から、カザフ語の表記をロシア語由来のキリル文字から、ラテンアルファベットへ移行する方針が進められています。
これは、カザフスタンという国が旧ソ連の一つの国からカザフ文化を持つ国へ転換しようとしていることを示していると思います。
この記事では、カザフ語の文字・単語・文法・発音の特徴と、学ぶメリットについて、分かりやすく解説していきます。
① カザフ語の文字 ― ロシア語の文字からアルファベットへ移行中 ―

現在のカザフ語は、伝統的にはロシア語と同じキリル文字を使って書かれてきました。
カザフ語の文字は42つあり、ロシア語の文字よりも多いです。
そのため、ロシア語には存在しないカザフ語独自の文字もいくつかあります。
例えば、
Ә Ө Ү Ұ Қ Ң
などです。
一方で近年、カザフスタンではカザフ語の表記をキリル文字からアルファベットへ移行する方針が進められており、現在は移行期間の途中段階にあるそうです。
そのため、公的文書や教育、メディアなどではキリル文字とアルファベットの両方が使われる場面も見られます。
② カザフ語の単語 ― キルギス語にとても近い ―

カザフ語は、テュルク語族に属する言語です。テュルク語族には、トルコ語や中央アジアの言語 (キルギス語やカザフ語)、ウイグル語などが含まれます。
その中でも特に、同じ遊牧文化を持つキルギス語とは単語が非常に近いことで知られています。
例えば「行く」という単語は、
カザフ語:бару (baru)
キルギス語:баруу (baruu)
と、スペルがかなり似ています。
一方で、ウズベク語やトルコ語などの他のテュルク語族と比べると、カザフ語はペルシア語やアラビア語由来の単語がやや少なく、より中央アジア独自のテュルク系の単語がたくさん残っているのも特徴です。
③ カザフ語の文法 ― 日本語と同じSOVの語順 ―

カザフ語の基本的な語順は、日本語と同じSOV(主語 → 目的語 → 動詞)です。
そのため、例えば「私は友だちと話す」という文は、
Men dosymen söylesem
私 / 友だちと / 話す
という語順になります。
また、日本語では「に・を・で」などの助詞を使いますが、カザフ語では名詞に語尾を付け足すことでそれらの意味を表します。
例えば、
dos(友だち)
dospen(友だちと)
というようになります。
日本語の助詞と比較的似ている仕組みで理解しやすいと思います。
まとめると、カザフ語は日本語話者にとって直感的に理解しやすい文法構造をしているといえるでしょう。
④ カザフ語の発音 ― 日本語にない音も多い ―

カザフ語の母音は9つあり、日本語にない母音は以下の4つです。
ä / ö / ü / ɯ
そして、これらはそれぞれ以下のような発音をします。
ä(「ア」と「エ」の中間音)
ö(「オ」と「エ」の中間音)
ü(「ウ」と「イ」の中間音)
ɯ(唇をほとんど丸めずに出す「ウ」)
また、カザフ語の子音は合計で21つあります。
中でも語末に来る「ң(ng)」の音は特徴的です。これは日本語の「ん」とは違い、舌の奥で止める「ng」音に近い発音です。
この “ng” は中国語にもある発音なので、中国語を学んだ方はスムーズに習得しやすいと思います。
⑤ カザフ語を学ぶメリット ― 中央アジア最大の経済大国を理解する ―

カザフスタン は、石油や天然ガスなどを豊富に持つ資源大国であり、中央アジアの中で最も経済規模が大きく、所得も高い国です。
そのため、エネルギー産業や鉱業、金融分野などでは、周辺国に対して強い経済的影響力を持っています。
こうした分野ではロシア語や英語も使われますが、カザフ語を理解することで、より現地に根ざした情報や意思決定の背景が見えやすくなると思います。
そのため、カザフ語を学ぶことは、中央アジアで最も豊かな国の経済やビジネス、社会構造を理解することにつながるでしょう。
まとめ
カザフ語は、ロシア語と同じキリル文字を使い、日本語と同じSOVの語順を持ち、テュルク語族というグループに族しているという特徴を持つ言語です。
現地の言葉を理解してカザフスタンという国を知りたい方にとって、カザフ語はとても学ぶ価値の高い言語だと言えるでしょう。
