インドネシアでもっとも多い民族が「ジャワ族」です。
インドネシアには約300の民族が存在していますが、ジャワ族は全体の約40%を占めており、2位のスンダ族の約15%を大きく引き離しています。
ただ、この約40%という割合は、中国(9割近くが漢民族)やタイ(約85%がタイ族)に比べるとかなり少なく、インドネシアが多様性を持つ国であることがわかります。
そして、主にジャワ族は名前の通り主にジャワ島に住んでおり、インドネシアの政治や経済、文化において大きな影響を持っています。
今回のブログでは、ジャワ族の文化・社会・歴史などについて紹介していこうと思います。
① ジャワ族の雰囲気

ジャワ族の雰囲気は東南アジアらしい日焼けした健康的な肌をしており、女性の場合はヒジャブをつけている人が多いといわれています。
また、私がジャワ族の写真を見た印象では、タイ人やベトナム人よりも南国的でフィリピン人に似た雰囲気を持つ人がたくさんいると感じました。
② ジャワ族の文化と暮らし

ジャワ族が住む代表的な都市は、ジャワ島の西に位置するスラバヤです。
スラバヤは首都ジャカルタほど都会ではなく、落ち着いた雰囲気という印象を受けます。
住居はオランダ植民地時代の影響を受けた洋風な建築が多いです。
スラバヤの人口の83%はジャワ族とされています。
「インドネシアの首都ジャカルタはどうなの?」と思った方も多いかもしれません。
実はジャカルタはジャワ島に位置していますが、ジャワ族が占める割合は36.3%ほどといわれており、多様な民族が暮らしています。
私はジャカルタにインドネシア各地の民族が集まっている様子は、日本全国から人々が集まる東京と似ていると思います。
そして、ジャワ族の食事は「ナシ・ゴレン」などが有名です。

日本でも食べたことがある方も多いと思います。
また、私はジャワ族の人々の考え方は日本人とも似ている部分があると感じています。
例えば、ジャワ族は「ハルモニ(調和)」という考え方を重視しており、人前で怒ったり感情を強く表すことは好まれません。
これは日本人の口論を避けたり「空気を読む」文化とよく似ていると思います。
そして、家庭などでは年上を敬うという姿勢がとても大切にされています。
ジャワ語もその文化を反映するように、敬語表現がたくさんあるようです。
これも日本人の上下関係や日本語の敬語文化と似ていると思います。
つまり、ジャワ族と日本人は遠く離れているように見えますが、考え方などの点では同じ島国であり、どこか共通している部分もあると私は思っています。
③ ジャワ族の言語

ジャワ族が話す言葉は「ジャワ語」ですが、インドネシアの公用語は「インドネシア語」と呼ばれる別の言語です。
なぜ、人口が最も多いジャワ族が使っている「ジャワ語」が公用語にならなかったのかと思った方も多いのではないでしょうか?
それは、独立当時にジャワ語を国語にすると他の民族が反対する恐れがあったため、政治的に中立で古くから貿易でよく使われていたマレー語(現在のインドネシア語)が公用語として決められたからです。
この構図は、インド政府がヒンディー語の公用語化を進める際に、テルグ語話者など南インドの人々が反対している状況に少し似ていると私は感じています。
④ ジャワ族のルーツと歴史

ジャワ族のルーツは、数千年前に中国南部に住む人々が南に移動したのが始まりとされています。
ジャワ島は古くから文明が栄えていた場所で、13世紀ごろに建国されたマジャパヒト王国は、当時の東南アジアで最も繁栄した国のひとつとされています。
その後、インドネシアはオランダによって約350年の間、植民地支配を受けます。
では、なぜオランダのような小国がインドネシアのような大国を支配できたのでしょうか?
それは、当時のインドネシアは数百の王国・部族・島に分かれており、オランダはそれを利用して、ある王国と手を組み、他の王国を攻撃させて勢力を拡大させたからだと考えられています。
その後、1949年にインドネシアは独立を果たし、「インドネシア共和国」を建国します。
⑤ ジャワ族の社会と経済

インドネシアでは、ジャワ族が政治と文化において中心的な役割を持っています。
その一方で、経済的には人口のわずか3%ほどの中華系インドネシア人がGDPの約半分を占めているともいわれ、民族間の格差が指摘されています。
そのこともあり、1998年にはインドネシアで中華系に対する大規模な暴動も発生しています。
また、ジャカルタは海面上昇の影響を強く受けていて、今後数十年で一部地域が海に沈む可能性が高いことから、政府はカリマンタン島のヌサンタラへの首都移転を進めています。

ヌサンタラは「多くの島々」という意味を持ち、インドネシア全体の首都という意味が込められています。
首都移転は海面上昇への対策だけでなく、インドネシアにおいてジャワ族が住むジャカルタの時代から、多様な民族が共存する時代への象徴なのかもしれません。
まとめ

ジャワ族はインドネシア最大の民族であり、政治や文化の中心的な役割を担い、インドネシアという国の軸を作っている存在です。
私はよくインドネシアやベトナムなど東南アジアのヒット曲のチャートを見るのですが、そこで感じるのは、ベトナムやタイではK-POPが上位を占めるのに対し、インドネシアでは今もインドネシアの音楽がチャートの中心にあるということです。
ベトナムやタイが“日本や韓国のようになりたい”という方向を志向しているのに対し、インドネシアは東アジアとは違う「自分たちの文化圏」としての道を歩もうとしているように感じます。
だからこそ、ジャワ族が住むインドネシアは単なる「アジアの発展途上国」ではなく、多民族が共存し、独自の世界観を持つひとつの“文明そのもの”といえるのではないでしょうか。
