イランは人口約8,700万人を抱える中東の大国の1つで、古代から続くペルシャ文明を受け継いでいる国です。
イランというと、イスラエルと争っているなどの政治的なイメージが先行しがちですが、とても奥深いペルシャ文化を持つ国でもあります。
中東の中でも、イランはアラブ諸国(サウジアラビアやイラク)などよりも歴史が長く、すでに紀元前550年頃には、現在のイラン・トルコ・イラクなどを支配していたアケメネス朝という巨大国家が形成されていました。
そのため、アラブ人にとってイランとは、歴史が深い国というイメージがあるといわれています。
これは、西ヨーロッパ人がギリシャに対して抱く感覚と似ているのかもしれません。
今回の記事では、イランを代表する4つの都市 ― 首都テヘラン、歴史都市イスファハーン、詩人の街シーラーズ、シーア派の聖地マシュハド ― について紹介したいと思います。
① テヘラン — イランの首都で、イスタンブールとも並ぶ大都市。

テヘランはイラン最大の都市で、人口は都市部だけで約900万人もあり、首都圏だと1,500万人を超えるといわれています。
これは、イスタンブールの首都圏とだいたい同じくらいの規模です。
イランは首都テヘランに人口や機能が集中しており、国家の主要な機関や大企業のほとんどがテヘランに集まっています。
また、テヘランには「Iran Khodro(イラン・ホドロ)」とよばれる自動車会社があり、中東で最大級とされています。
中東でいう、トヨタやフォルクスワーゲンのような存在なのかもしれません。
そんなテヘランのシンボルともいえるのが、1971年に建てられた「アザーディー塔(Azadi Tower)」です。

東京でいう東京タワーのような存在なのかもしれません。
「アザーディー」は自由という意味で、1979年のイラン革命をきっかけに名付けられました。
建設当初はシャーヤード塔という名前だったそうです。
ちなみに、イラン革命が起こるまでのイランは、欧米諸国とも比較的仲が良く、観光国としても人気が高かったといわれています。
しかし、イラン革命後、ホメイニ師が政権を握り、厳しい服装の規制や言論統制が始まり、西側諸国との対立も深まっていきました。
皮肉にも、アザーディー塔(自由の塔)が建てられてから、イランには自由が失われていってしまったのかもしれません。
また、世界遺産にも登録されている「ゴレスターン宮殿(Golestan Palace)」も、イランの有名な観光地の1つに数えられます。

ゴレスターン宮殿の中に入ると、金色の飾りがところどころに散りばめられており、当時の王族の暮らしぶりを想像させるような豪華さを感じさせます。
さらに、テヘランは山に囲まれた場所にあるため、冬には首都のすぐ近くでスキーを楽しむこともできます。
例えば、テヘランから約70km離れたディジン・スキーリゾート(Dizin Ski Resort)はとても有名です。イランというと中東なので、雪が降らないイメージを持っていましたが、これはとても意外に感じられました。
② イスファハーン — かつて「イスファハーンは世界の半分」ともいわれた都市

イスファハーンは人口約200万人の都市で、かつてはペルシャ帝国サファヴィー朝の首都として、とても栄えていました。
「イスファハーンは世界の半分」という言葉が残っているほど、当時のイスファハーンの影響力は非常に強かったそうです。
特に、「イマーム広場(Naqsh-e Jahan Square)」は世界遺産にも指定されている、とても有名な観光地です。
この広場は、長さ560m、幅160mもある非常に大きな広場として知られています。
また、「シェイク・ロトフォッラー・モスク(Sheikh Lotfollah Mosque)」もとても有名です。
金色、紫色、緑色が絶妙に混ざり合っており、イランで最も美しいモスクと呼ばれることも多いそうです。
産業面では、イスファハーンは鉄鋼業がとても盛んで、イラン最大級の製鉄工場である「Esfahan Steel Company」が本社を構えています。
③ シーラーズ — 古くから「詩人の街」として知られていた都市

シーラーズは人口約150万人の都市で、古くから「詩人の街」として知られています。
これは、ペルシャ文学を代表する詩人であるハーフェズやサーアディーが、この街の出身であることが理由だそうです。
シーラーズでもっとも有名な観光地は、「ナスィール・オル・モルク・モスク(Pink Mosque)」です。
内部がとてもカラフルで、幻想的な雰囲気が特徴です。
イランのモスクは、青色や紫色、金色を中心に作られていることが多いため、このモスクは珍しく、とても価値があるといえるでしょう。
④ マシュハド — イスラム教シーア派の聖地

マシュハドは人口約320万人を抱える都市で、イラン第2の都市です。
この都市は、シーア派最大の聖地である「イマーム・レザー廟(Imam Reza Shrine)」があることで有名です。
世界中から年間数百万人の巡礼者が訪れるといわれています。
簡単に言えば、シーア派におけるメッカやメディナのような立ち位置なのかもしれません。
まとめ

イランで有名な都市には、首都テヘラン、歴史都市イスファハーン、詩人の街シーラーズ、シーア派の聖地マシュハドなどがあります。
これらの都市には、イスラム教やペルシャの伝統が強く残っていることが特徴的です。
イランの都市を知ることは、イランの奥深いペルシャ文化を理解することにもつながると思います。
