インドは人口14億人を超える世界最大の国で、文化や言語、民族に多様性があり、同じインドでも都市によって雰囲気が大きく異なっています。
インドの公用語はヒンディー語と英語ですが、実際にはタミル語やテルグ語など20以上の主要言語があり、方言まで含めるとなんと1,600以上もあるとされています。
そして、北インドと南インドはルーツが大きく異なっており、北インドの人々はイランや中央アジアにルーツを持ち、南インドはインドにずっと昔から住んでいた先住民です。
そのため、インドは地域ごとに文化や言語、民族が大きく異なっていて、都市の多様性がとても強いのが特徴です。
今回の記事では、日本でも名前が知られている都市から、実は重要な役割を持っている都市まで、インドの主要都市をわかりやすく紹介していこうと思います。
➀ デリー ― インドの首都で、政治の中心地

デリーは、インドの首都であり政治と行政の中心です。
デリーの人口は約1,650万人とされていて、アジアの中でも有数の大都市です。
デリーには、歴史のあるモスクやお城が多く残っており、特にムガル帝国時代に建てられたレッドフォートとよばれる赤いお城はとても有名です。
一方で、デリーは近代都市としての側面も強く、インドの中では地下鉄や商業施設が比較的整備されています。
ただ南インドに比べると、デリーは治安が悪いと言われていて、ぼったくりやスリなども多いといわれています。
② ムンバイ ― インドの経済と文化の中心地

ムンバイはインドの経済や金融の中心地とされていて、人口は2,000万人を超える大都市です。インドというとデリーが有名ですが、実はムンバイもデリーと並ぶ大都市です。
そんなムンバイには、BSEとよばれるインド最大の証券取引所があり、インドの大企業の本社もたくさん置かれています。
また、世界的に有名な映画産業「ボリウッド」の発祥地でもあり、インドの文化の中心地でもあります。

ムンバイの雰囲気は国際色がとても強く、商人の街として発展してきた歴史もあって、インドの中でも特に都会的な雰囲気を持つ都市です。
また、デリーと違って、ムンバイには高層ビルがたくさん立ち並んでいます。
言語面では、デリーが公用語のヒンディー語中心なのに対して、ムンバイでは地域の言語である「マラーティー語」が広く使われています。
中国で例えるなら、デリーが北京、ムンバイが上海のような感じかもしれません。
③ コルカタ ― イギリス統治時代に首都だった都市

コルカタは人口約1,500万人の大都市で、インドの東部(バングラデシュの近く)に位置しています。
コルカタは、インドがイギリスに支配されていた時代に首都だった街で、植民地時代の建築物が今もたくさん残っています。
例えばヴィクトリア紀念堂やセント・ポール大聖堂などはとても有名です。
また、コルカタは現在の北マケドニア出身の偉人マザー・テレサとも深く関係している都市です。

1950年に、マザー・テレサは「神の愛の宣教者会」をコルカタで設立し、ここから貧困者支援活動が世界に広がっていったといわれています。
コルカタの住民の多くはベンガル語を話し、食事や文化はバングラデシュと近いとされています。
④ バンガロール ― 「インドのシリコンバレー」と呼ばれるIT産業の中心地

バンガロールはインド南部に位置し、IT産業やスタートアップの中心地として知られていて、「インドのシリコンバレー」と呼ばれることも多いです。
実際に、バンガロールには、インドの大手IT企業のWiproやInfosysが本社を置いていて、外資系企業の開発拠点も多く集まっています。
人口は約1,150万人で、デリーやムンバイよりは少なめですが、それでもインドを代表する大都市といえるでしょう。
気候は他のインドの大都市と比べると涼しく、治安も比較的良いことから住みやすい都市として外国人の間でも人気だそうです。
バンガロールの人々はカンナダ語とよばれる言葉を話しますが、IT都市ということもあり、英語もとても普及しているといわれています。
また、バンガロールは南インドに属しているので、デリーやムンバイなどの北インドとはまた違った雰囲気を持っています。
⑤ チェンナイ ― 南インド文化が息づくタミルの中心都市

チェンナイは南インド・タミルナードゥ州の州都であり、タミル語とタミル文化の中心地です。チェンナイの人口は約1,300万人で、南インドの中では最大級の大都市です。
タミル語はインドの最も歴史のある言語の1つともされており、タミル語が使われているチェンナイは伝統的な建築が多く見られます。
特にカバレーシュヴァラル寺院と呼ばれる建築は、とてもカラフルなのが特徴的で、チェンナイの代表的な建築の1つとされています。
チェンナイの雰囲気は北インドのデリーやムンバイとは大きく異なっており、言語や宗教、食文化すべてに「南インドらしさ」が色濃く残っています。

例えば軽食のドーサとよばれる南インド料理が日常的に食べられており、普段日本にあるようなナンやライスと一緒に食べるカレーとは、また違うスタイルの料理が楽しめます。
言語においても、チェンナイで話されるタミル語はデリーやムンバイなどで話される北インドの言語とはルーツが異なっているため、全くコミュニケーションが取れないほど違いがあるそうです。
⑥ ハイデラバード ― ITや映画で急成長する大都市

ハイデラバードは、南インドのテランガナ州の州都であり、近年とても注目されている都市の1つです。
その理由の1つがIT産業の急成長にあるといわれていて、ハイデラバードには Google、Apple、Microsoft など、世界的なIT企業の巨大オフィスが集まっています。
この地域は「HITEC City(ハイテクシティ)」と呼ばれ、バンガロールとともにインド版シリコンバレーともいわれるほど発展しているそうです。
また、ハイデラバードは最先端なだけでなく、歴史のある都市でもあり、旧市街にはムガル帝国時代の雰囲気を残した建築がたくさん残っています。
その代表がチャールミナールと呼ばれる巨大な門です。
さらに、ハイデラバードはトリウッドとよばれる映画産業の中心地でもあります。

映画本数では、トリウッドはムンバイ発のインドの映画産業「ボリウッド」を超える年も出てきているくらいです。
また、ハイデラバードは言語面では、テルグ語が広く使われていますが、英語も日常的に通じるため、外国人でも生活しやすいといえるでしょう。
まとめ

インドは都市によって、言語や文化が異なっていて、とても多様性があると思います。
政治の中心デリー、経済と文化の中心ムンバイ、IT都市バンガロール、南インドの文化都市チェンナイ、植民地時代の首都コルカタ、そしてハイテク都市ハイデラバード。
インドの都市について知ることは、観光地に詳しくなるだけではなく、南アジアの文化や宗教、経済の多様性を理解することにもつながると思います。
