ICICI Bankとは? デジタルとスピードを重視するインドの民間銀行

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ICICI Bank(アイシーアイシーアイ・バンク)は、HDFC BankやState Bank of Indiaなどと並んでインドを代表する民間銀行のひとつです。

都市部を中心に個人・企業の両方から高い支持を集めており、インド全国に約7,246支店を持っています。

個人向けの預金・ローン・クレジットカードから、企業向け融資・決済・資金管理まで様々な金融サービスを展開しており、インド最大の国営銀行のState Bank of Indiaとは対照的に、スピード感と新しさを武器に成長してきました。

この記事では、ICICI Bankのサービス内容・歴史・今後の展望を分かりやすく解説していきます。

① ICICI Bankのサービスを分かりやすく解説

まずは、ICICI Bankが展開している主な金融サービスを見ていきましょう。

個人向け銀行サービス(リテールバンキング)

ICICI Bankの中心となる事業は、都市部の個人クライアント向けのサービスです。

主なサービス内容は、預金やデビットカード・クレジットカード、ローンなどが挙げられます。

例えば、ムンバイで働くインド人の会社員が、給料の振込先としてICICI Bankの普通預金口座を使い、使わずに余ったお金は定期預金に回して、ちょっとした利息を受け取る、という使い方をします。

法人向け金融サービス

ICICI Bankは、個人向けだけでなく企業向けの金融サービスにも非常に力を入れています。

中小企業・大企業向け融資

資金管理

国際送金

スタートアップ向け金融支援

などがあります。

例えば、インドの会社が工場を新しく設立したり、新しいオフィスを作ったりするための資金をICICI Bankから借りるなどです。

デジタルバンキング

ICICI Bankは 「iMobile」 というスマホアプリを使って、デジタルバンキングをすることができます。

現在 「iMobile」 の利用者数は約3,000万人を超えていて、

口座管理

即時送金(UPI)

クレジットカードの管理

投資・保険の申込

ローンの申請

など、ほぼすべての金融手続きをオンラインで完結することができます。

例えば、会社の帰りにスマホで口座残高を確認し、家賃をUPIで即時送金して、そのままクレジットカードの利用額をチェックすることなどが iMobile ひとつで完了します。

そのため、支店に行かなくても完結できる銀行として、インド都市部の忙しいビジネスパーソンから高い評価を受けています。

② ICICI Bankの創業から現在まで

ICICI Bankは比較的新しい銀行で、1994年にICICI(Industrial Credit and Investment Corporation of India)を元として設立されました。

これは和訳すると、「インドの産業に対して、融資と投資を行うために設立された会社」 というような意味です。

もともとは企業向けの金融機関でしたが、1990年代のインド経済自由化を背景に、個人向けの銀行事業にも本格的に参入しました。

ここから、個人向け預金やローン、クレジットカードなどの一般向け銀行サービスをスタートしていきます。そして2000年代以降は、ATM網を急速に拡大したり、オンラインバンキングの早めに導入したりしたことにより急成長を遂げました。

その結果、現在ではインド全国に約7,200以上の支店を持ち、モバイルアプリ「iMobile」の利用者は3,000万人を超える、HDFC Bankと並ぶ民間銀行となっています。

③ ICICI Bankのこれからの展望

ICICI Bankは今後も、デジタル化を進めていき、民間銀行の強みを活かしていくと考えられています。

これから特に注力していくと思われる分野は主に2つです。

1つ目は、デジタルバンキングのさらなる普及です。

ICICI Bankはすでにスマホアプリやオンラインサービスに強みを持っていますが、今後は口座開設、送金、ローン申請、投資・保険まで、ほぼすべての金融手続きをデジタルで完結できる仕組みをさらに進化させていくと考えられます。

これにより、若年層や都市部の利用者だけでなく、これまで銀行を十分に利用できていなかった農村部や地方に住んでいる層の取り込みも進んでいくと思われます。

2つ目は、AI・データ活用による業務効率化と個別サービスの強化です。

AIを活用したローン審査、不正検知、カスタマーサポートの自動化に加え、顧客データを分析することで、一人ひとりに最適化された金融商品を提案する仕組みを進化させようとしています。

これは単なるコスト削減だけでなく、顧客の満足度や長期的な取引関係の強化にもつながっていきます。

まとめ

ICICI Bankは、インドを代表する民間大手銀行であり、デジタル分野に強みを持っています。

国営のState Bank of India (SBI) が歴史があり安定感のある銀行だとすると、民間のICICI Bankは先進的でスピード感のある銀行だと思います。