ヘブライ語は、主にイスラエルで使われている言語です。
現在はイスラエルの公用語のひとつとして、日常生活やビジネス、政治など、あらゆる場面で使われています。
しかし、ヘブライ語はもともと、日常会話では使われておらず、長い間「宗教や書き言葉専用の言語」でした。
そして、20世紀に入ってから、世界中に散らばっていたユダヤ人が共通の言語を必要としたことをきっかけに、ヘブライ語は日常会話で使われる言語として復活したのです。
この記事では、ヘブライ語の 文字・単語・文法・発音の特徴と学ぶメリットについて、初心者向けに分かりやすく解説していきます。
① ヘブライ語の文字 ― 独自の文字を持っていて、右から左に読む ―

ヘブライ語は、ヘブライ文字と呼ばれる独自の文字を使っています。
文字数は22文字で、そのすべてが子音文字です。
「母音の文字が全くないので、どうやって発音するの?」 と思うかもしれません。
ヘブライ語では、一般的に母音は文脈によって推測して発音します。
例えば、”כתב” という単語はkatav(彼は書いた)、ktav(文章)、kotev(書いている)などの発音がありますが、文脈によってこれらのどれを発音するかを判断するそうです。
また、これだと正しく伝わらないこともあるので、ヘブライ語には母音を表すためのニクダーという点や線がありますが、日常的な文章(新聞・SNS・本など)ではほとんど省略されます。
そして、ヘブライ語はアラビア語やペルシア語と同じく、右から左 に書くという特徴も持っています。
そのため、最初は難しいと感じると思いますが、たくさん練習して慣れていくのが大切だと思います。
② ヘブライ語の単語 ― アラビア語とよく似ている ―

ヘブライ語の単語はアラビア語ととても似ているのが特徴です。
例えば、「王」という単語はヘブライ語とアラビア語ではそれぞれ次のようになります。
ヘブライ語 : מֶלֶך (melekh)
アラビア語 : ملِك (mlik)
このようにお互いかなり似ていることが分かります。
これにはヘブライ語もアラビア語も古代中東で話されていた共通の言語をルーツとしているからだとされます。
そのため、ヘブライ語を勉強することはアラビア語について知ることにもつながると思います。
③ ヘブライ語の文法 ― 動詞から文が始まる ―

ヘブライ語の基本語順は、VSO(動詞 → 主語 → 目的語)です。
動詞から文章が始まるのはとても珍しいと思うかもしれませんが、これはアラビア語の語順とも共通しています。
例えば「私はパンを食べる」という文は、
אני אוכל לחם (Ani ochel lecham)
食べる → 私 → パン
という語順になります。
ただし、実際の会話では、SVOやSOVなども普通に使われることも多く、語順は比較的自由です。
また、ヘブライ語では動詞の形が
人称 (私・あなた・彼ら)
性別 (男性・女性)
数 (単数・複数)
によって変化します。
例えば、「○○が書いた」という文は
私 : כתבתי katavti
あなた(男)כתבת katavta
あなた(女): כתבת katavt
私たち : כתבנו katavnu
というように主語によって動詞が変化します。
そのため、ヘブライ語では動詞で主語を表すことができるので、主語を省略することもとてもに多いです。
④ ヘブライ語の発音 ― 日本語にはない発音の子音もいくつかある ―

ヘブライ語の子音は22つあり、日本語にない音もいくつかあります。
例えば、
ע(アイン): 軽く喉を詰めるような子音
ח(ヘット): 日本語の「ハ」よりかなり奥から出す音
などがあります。
また、母音は
a / e / i / o / u
の5つだけで、日本語でいう 「あいうえお」 とかなり似ています。
子音が単語の意味を表すとすると、母音は文法情報を表すのが特徴です。
⑤ ヘブライ語を学ぶメリット ― 聖書の原文を読むことができる ―

ヘブライ語を学ぶ最大のメリットの一つは、旧約聖書を原文のまま読めるようになることです。
旧約聖書はもともとヘブライ語で書かれており、英語や日本語などの翻訳を通すとどうしても言葉の響きや語感、微妙なニュアンスなどが一部失われてしまいます。
特にヘブライ語は、単語のもとになる「語根」を中心に意味が広がる言語なので、原文を読むと、一つの言葉に込められた複数の意味や背景を自然に感じ取ることができます。
キリスト教やイスラム教、ユダヤ教などの宗教に関心がある人だけでなく、歴史や思想、言語文化に興味がある人にとっても、ヘブライ語はとても奥深い学びを与えてくれる言語だといえるでしょう。
まとめ

ヘブライ語は、文が動詞から始まることが多い点や、文字が主に子音だけで構成されている点など、他の言語にはあまり見られない特徴を持っています。
文法や発音は慣れればとてもシンプルで、言語や宗教、歴史を同時に学べる点が大きな魅力です。
中東やユダヤ教の文化に興味がある人にとって、ヘブライ語は非常に学びがいのある言語だと思います。
