ギリシャ語の特徴|西洋文明のルーツを感じられる言語

世界の言語

ギリシャ語は、南ヨーロッパのギリシャを中心に、約1,300万人ほどに話されている言語です。

話者人口だけを見ると、あまり多くはありませんが、ギリシャ語はヨーロッパにおいてとても重要な言語として考えられています。

その理由は、ギリシャ語が約3,000年以上も前から記録が残っていて、今でも使われている、非常に歴史の長い言語だからです。

この記事では、ギリシャ語の文字・単語・文法・発音の特徴と、学ぶメリットを分かりやすく解説していきます。

① ギリシャ語の文字 ― 「ギリシャ文字」 という独自の文字を使う―

ギリシャ語最大の特徴のひとつが、英語など他のヨーロッパの言語とはまったく異なる文字を使うという点です。

ギリシャ語では、ギリシャ文字(Greek alphabet)と呼ばれるものが使われています。

文字数は 24文字あり、英語のアルファベットであるラテン文字の元になった文字でもあります。

そのため、欧米の人々にとってギリシャ語は、古典語であり、自分たちの言語や文化のルーツにあたるものというイメージを持たれています。

例えばギリシャ文字には次のようなものがあります。

Α α(alpha)

Β β(beta)

Γ γ(gamma)

Δ δ(delta)

これらは、数学や物理で見たことがある人も多いと思います。

一方で、初学者が難しいと感じやすい文字もあります。

η(エータ)→ 発音は「イ」

υ(イプシロン)→ 発音は「イ」

χ(キー)→ 喉をこする「ハ」に近い音

英語の文字と大きく異なるものも多いので、最初は暗号のように感じる人も多いと思います。

② ギリシャ語の単語 ― 西洋の学術用語のルーツになった言語 ―

ギリシャ語は、西洋の哲学・医学・数学・科学などの学術分野の語彙の源流となった言語です。

そのため、英語を学んだことがある人なら、意味は何となく分かる単語も意外とあります。

例えば、「哲学」や「生物学」といった単語は、

哲学

英語:philosophy

ギリシャ語:φιλοσοφία(philosophía)

生物学

英語:biology

ギリシャ語:βιολογία(viología)

となり、英語とギリシャ語でとても似ています。

③ ギリシャ語の文法 ― 語順はとても自由だが、語形変化が多い ―

ギリシャ語の基本語順はSVO(主語 → 動詞 → 目的語)ですが、語順はかなり自由です。

例えば、

Διαβάζω το βιβλίο.(私は → 読む → その本を)

Το βιβλίο το διαβάζω.(その本を → 読む → 私は)

の2つとも自然な文になります。

また、ギリシャ語では名詞に「男性・女性・中性」という性の区別があり、それによって形も変わります。

さらに、動詞も「誰がするのか」や「いつのことか」によって形が変わるため、英語よりも文法的な情報量が多い言語です。

例えばギリシャ語では、「人」を表す単語でも男性か女性かで形が変わります。

男の人:άνθρωπος(ánthropos)

女の人:γυναίκα(yinéka)

そして、「読む」 という動詞も、「誰が読むのか」によって形が変わります。

私は読む:διαβάζω(diavázo)

あなたは読む:διαβάζεις(diavázis)

④ ギリシャ語の発音 ― 読み方が規則的でアクセントが分かりやすい ―

ギリシャ語の母音は次の5つあります。

a / e / i / o / u

日本語の 「あいうえお」 とほぼ同じなので、スムーズに覚えられると思います。

そして、子音はおよそ17個あり英語 (約24個)と比べると数はやや少なめです。

そして、ギリシャ語は、書いてある通りに読めば、ほぼそのまま通じる言語です。

英語のようにスペルを見ても発音を推測しにくい言語ではありません。

また、ギリシャ語ではアクセント(´)の記号が付いているので、どこを強く読むかが一目で分かります。

例えば、

άνθρωπος → ánthropos

βιβλίο → vivlío

ギリシャ語というとややこしいイメージを持っていましたが、実は発音もシンプルでアクセントも分かりやすい言語だと感じました。

⑤ ギリシャ語を学ぶメリット ― 西洋の考え方を原語のまま味わえる ―

ギリシャ語を学ぶいちばんのメリットは、西洋の考え方や価値観を、翻訳を通さずに感じられることです。

西洋の国々の哲学や政治、科学、宗教といった分野で使われている基本的な考え方は、もともとギリシャ語で生まれたものがとても多くあります。

実際、プラトン や アリストテレス の本、新約聖書なども、原語はギリシャ語です。

そのため、哲学や思想に興味があり、教養として言語を学んでみたいという方にとって、ギリシャ語はとても学ぶと面白い言語と言えるでしょう。

まとめ

ギリシャ語は、英語やフランス語と同じインド・ヨーロッパ語族というグループに属しながらも、長い歴史を持っている独自性のある言語です。

哲学や思想、西洋文明のルーツなどに興味がある方にとって、ギリシャ語はとても魅力的な選択肢の1つになると思います。