チェコ語は、主に中央ヨーロッパのチェコを中心に話されている言語です。
話者数は約1,000万とされていて、ヨーロッパ全体で見ると小規模な言語といえます。
そのため、身に付けてもあまり使える範囲が広くないと思われがちですが、隣国のスロバキア (人口約500万人)やポーランド(人口約3,800万人) でもよく似た言語が使われています。
それだけでなく、チェコ語はロシア語と共通している部分も多いです。
そのため、チェコ語を身につけるということは、スラヴ系語圏全体の理解に繋がると考えて良いでしょう。
この記事では、チェコ語の文字・単語・文法・発音の特徴と学ぶメリットについて、初心者向けに分かりやすく解説していきます。
① チェコ語の文字 ― 記号が付いたラテン文字が多い ―

チェコ語は、英語と同じラテン文字を使う言語です。
しかし、チェコ語の大きな特徴はダイアクリティカルマークとよばれる記号が非常に多いことです。
例えば、
á č ď é ě í ň ó ř š ť ú ů ý ž
などがあり、見た目だけでも少し難しそうに感じるかもしれません。
アルファベット自体は英語と同じですが、それ以外にも記号が付いた文字がたくさんあり少し難しめに感じるのがチェコ語の特徴です。
② チェコ語の単語 ― スロバキア語やロシア語と非常によく似ている ―

チェコ語は、特にスロバキア語とよく似ていることで知られていて、約80~90%の語彙が似ているそうです。
また、スロバキア語ほどではないですが、同じスラヴ系の言語であるポーランド語やロシア語ともよく似ています。
例えば「夜」という単語は、
チェコ語:noc
スロバキア語:noc
ロシア語:ночь(nochʼ)
となり、それぞれ形がほぼ同じです。
その一方で、チェコ語は英語との共通語彙は少なく、フランス語などとは異なり、英語で推測して覚えにくい言語でもあります。
③ チェコ語の文法 ― 語順は自由だが、語尾の変化が多い ―

チェコ語の文法でまず特徴として挙げられるのが、名詞の語尾の形がよく変わるという点です。
チェコ語には 7つの格があり、「〜は」「〜を」「〜に」「〜で」などを語尾の変化で表します。
例えば、チェコ語で「町」は městoというのですが、
město(町は)
města(町の)
městem(町で)
というように、文の中で語尾が変わります。
その一方で、語順は比較的自由で、基本は SVO(主語→動詞→目的語)ですが、語順を変えられることが多いです。
そして、チェコ語は動詞が主語に合わせて変化するという特徴も持っています。
例えば、「行く」という動詞 “jít” は、
jdu(私は行く)
jdeš(あなたは行く)
jde(彼・彼女は行く)
というように、主語によって形が変わります。
そのため、主語を省略しても動詞の形から意味が分かるため、会話では主語が省かれることも多くあります。
この点は、スペイン語やロシア語などと共通しているといえます。
④ チェコ語の発音 ― 母音は少なめで、子音は多め ―

チェコ語の母音は5種類で比較的少ないですが、子音は約25種類と多めです。
そのため、次のような日本語にない子音も存在します。
ř(ルとジュを同時に言うような音)
さらに、チェコ語は子音が連続する単語がよく登場します。
例えば、
čtvrtek(木曜日)
などです。
これらの発音は日本語とは大きく異なっているので、たくさんリスニングやスピーキングを行って練習することが大切だと思います。
⑤ チェコ語を学ぶメリット ― スラヴ語圏を知る入り口に最適 ―

チェコ語を学ぶメリットの1つは、ロシア語やポーランド語などのスラヴ語学習にもつながるということです。
チェコ語は、ロシア語やスロバキア語、ポーランド語、ウクライナ語などのスラヴ語と共通点がとても多く、次の言語につなげやすいです。
また、ロシア語やウクライナ語とは異なり、ラテン文字を使用するので、初心者にも取っつきやすいです。
ロシアをはじめとするスラヴ語圏に興味はあるものの、ロシアに行くのは少しハードルが高い、あるいはキリル文字(ロシア語で使われる文字)を覚えるのが難しいと感じる方もいるでしょう。
そうした方にとって、EUに加盟していて、英語と同じ文字を使っているチェコ語はとても良い選択肢になると思います。
まとめ
チェコ語は、中央ヨーロッパで約1,000万人以上に話されているスラヴ系の言語です。
英語と同じアルファベットを使いながらも、独特な記号や発音を持つユニークな言語です。
チェコ語は「マイナー言語」に思われがちですが、スロバキア語との高い相互理解性やロシア語などのスラヴ系の言語への応用力を考えると、実用性が高くて身に付けるメリットが十分にある言語と言えるでしょう。
