CMC Corporationとは?FPTと並ぶベトナムIT大手の実力とは

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CMC Corporationは1993年にハノイで設立されたIT企業です。

クラウドやセキュリティ、ソフトウェア開発、データセンターまで幅広く手がけています。

ベトナムのIT企業の中ではFPTに次ぐ規模とされており、約8,500人以上の社員が働いています。また、クライアントを世界15か国以上に持っており、政府機関、銀行、製造業、大学など、社会のさまざまな場面で使われるシステムを開発しています。

今回の記事では、CMCの歩み・サービス・未来について、やさしくまとめていきます。

① CMCグループの主なサービス

CMCの特徴は、クラウドや開発、セキュリティなど、企業が必要とするITをまとめて一括で提供できる点にあります。

この章では、CMCグループが行っている主なサービスについて、わかりやすく解説していきます。

CMC Soft(ソフトウェア開発)

CMC Softは、日本や韓国企業からの依頼が多く、金融や医療、製造システムなどを開発しています。

日本語や韓国語を話せるベトナム人エンジニアが多いことも、選ばれる理由の一つになっているそうです。

CMC Cloud(クラウド)

CMC Cloudは、いわばベトナム版AWSのようなサービスです。

例えば、CMC Cloud上で仮想サーバーを構築し、アプリやWebサービスを動かせる環境を提供しています。

ベトナム国内でデータを管理できるため、機密情報を扱う銀行や政府機関が採用することが多いとされています。

CMC Cyber Security(サイバーセキュリティ)

CMC Cyber Securityでは、企業の重要な情報を守るために、セキュリティ対策や監視をサポートしています。

例えば、24時間体制でシステムを監視し、不正アクセスを検知したり、ウイルス対策ソフトを導入したりしています。

近年、サイバー攻撃が増加していることから、需要が大きく伸びている分野です。

CMC Telecom(通信)

CMC Telecomは、企業向けのインターネット接続に加えて、クラウドサービスと組み合わせながら、企業のIT環境が安定して動作するよう支援しています。

例えば、社内ネットワークを安全かつ高速に整備したり、クラウド上でシステムを運用できるようにしたりするなど、企業のIT基盤を支える役割を担っています。

CMC Technology & Solution(インフラ)

CMC Technology & Solutionは、工場・大学・銀行などに向けたITシステムの導入を行っている部門です。

例えば、業務で使用するパソコンやWi-Fi機器などをまとめて用意し、すぐに使える状態で提供しています。

ベトナム国内でも有数の「SI企業(クライアントのITシステムを設計・構築し、運用まで行う会社)」の一つといわれています。

② CMCグループの創業から現在まで

CMCグループは1993年にNguyễn Trung Chính(グエン・チュン・チン)氏とHà Thế Minh(ハー・テー・ミン)氏によって設立されました。

当初は企業向けのITサービスを手がけていましたが、ベトナム国内のIT産業がまだ始まったばかりの時期に参入していたことが、その後の急成長につながったとされています。

1995年には社名を「CMC Computer & Communication(CMCコンピューター・通信)」に変更し、事業の軸をITと通信へ本格的に移していきました。

そして1996年には、設計・開発・運用を総合的に行う「CMC SI(システムインテグレーション)」と「CMC Soft(ソフトウェア開発センター)」を立ち上げ、ソフトウェア開発やシステム構築の体制を整えました。

さらに1999年には、国産パソコンブランド「CMS」を発表し、ハードウェア市場にも参入しました。

「ベトナム製パソコン」として多くのユーザーに受け入れられ、知名度を大きく高めることに成功しました。

2006〜2007年にかけては、グループ規模の拡大に伴い、親会社と子会社に分かれる「グループ運営方式」へ移行し、正式に株式会社として再登録しました。

これにより、事業展開の自由度が高まり、資金力も強化されました。

本格的な大企業へと移行した時期だといえるでしょう。

2008年には「CMC Telecom」を設立し、ハードウェア・ソフトウェアに加えて、通信インフラ事業にも参入しました。

そして2010年には、HOSE(ホーチミン証券取引所)への上場を果たしました。

その後も順調に規模を拡大し、2024年にはForbes Vietnamの「もっとも価値のある上場企業50社」に選ばれています。

③ CMCグループの現在とこれから

CMCグループは現在、約8,500人規模の社員を抱え、ベトナムを代表するICT(情報通信技術)企業としての地位を確立しています。

ベトナムにおいてはFPTグループと並んでいる規模とされています。

CMCグループは今後は法人向けのネット回線やクラウドを提供するCMC Telecom、そしてサイバーセキュリティ分野などに力を入れていくと考えられています。

まとめ

CMCグループは、FPTと並ぶベトナムの大手IT企業であり、クラウド・セキュリティ・通信・開発を総合的に提供できる点を強みとしています。

東南アジアでIT需要が拡大し続ける中、CMCグループは今後さらに存在感を高めていく可能性が高いでしょう。

「表には出にくいものの、社会を裏側から支えている企業」CMCは、まさにそのような存在だといえます。