AGI(汎用人工知能)時代に日本の強みが活きる4つの分野

世界の産業とテック

近年、ChatGPTなどの登場により、AGI(汎用人工知能)の時代が現実的になってきた中で、「どの国が強くなるのか」という議論が増えています。

AGIを一言で言うと、「人間のように幅広いことを考え、判断できる人工知能」であり、多くの有名なAI研究者たちは2020年代後半に生まれると語っています。

その中で日本については、ソフトウェアや巨大IT企業の有無ばかりが注目されがちですが、それだけではAGI時代の産業構造は正しく見えてこないと思います。

なぜなら、AGIは「考える存在」ではあっても、それ自体では社会を動かすことが難しく、実際に社会を変えるには自動車やロボット、半導体などの「動く存在」、つまりハードウェアも必要になるからです。

この点において、日本が長年積み上げてきた産業分野は、AGI時代には重要になっていくと思います。

この記事では、AGIと組み合わさることで、日本の強みが最大限に活きると予想される4つの分野を紹介していきます。

① 自動車

自動車は、AGI時代において単なる移動手段ではなく、巨大な移動するロボットへと進化していきます。

運転判断、ルート計画といった領域でAGIが活用される一方、ブレーキ、ハンドル操作、安全制御といった部分はとても高い信頼性が求められます。

この分野で日本は、量産しながら高い安全性を保つ技術で世界的に評価されています。

特にトヨタ自動車が築いてきた品質管理と安全制御は、AGIが組み込まれても不可欠な土台となると思います。

自動運転の時代において、テスラやGoogleといったアメリカのIT企業がトヨタなどの日本のメーカーのシェアを奪っていくと言われることもあります。

しかし、現実的には日本市場においてはソフトウェアがアメリカのIT企業、ハードウェアがトヨタなどの日本の自動車メーカーになる可能性が高いと思っています。

これは、日本人が日本車に高い信頼を持っていることに加え、自動車にはハードウェアの面でも高度な技術が求められるからです。

また、収益においては、ソフトウェア (AGI OSやクラウド)とハードウェア (制御・安全OSや自動車本体、保守・運用) の割合が1:1くらいになるそうです。

そのため、AGI搭載の日本車を世界に輸出できれば、日本がハードウェアの部分で大きな利益を得ることもできると考えられます。

② ロボット

AGIが最も力を発揮するのは、物理世界で作業を行うロボット分野です。

産業ロボット、物流ロボット、医療・介護ロボットなど、あらゆる現場でAGIによる判断力が求められていきます。

しかし、ロボットにおいて重要なのは「賢さ」だけではありません。

実際の現場では、安全性や正確さ、壊れにくさといった点がとても重視されます。

この領域では、ファナック、安川電機、川崎重工業などの日本企業が大きな強みを持っています。

実際、産業用ロボットの分野で上位10社のうち日本が半数近く占めているといわれています。

③ センサー

AGIは入力される情報の質によって性能が大きく左右されます。

どれだけ高度な知能でも、現実世界を正しく認識することができなければ意味を持ちません。

画像センサーや距離センサー、触覚センサーなどは、AGIにとって人間でいう「五感」にあたります。

この分野では日本は圧倒的な強みを持っています。

特にソニーセミコンダクタの画像センサーは、スマートフォンのカメラから自動車、工場の機械まで、さまざまな場面で使われているそうです。

④ 半導体製造装置

AGIが進化すると、それを動かすための計算能力が大量に必要になります。

その結果、半導体製造装置と材料はさらに重要になっていきます。

日本はこの分野で強みを持っていて、特に東京エレクトロンなどが有名です。

AGIそのものがどれだけ進化しても、半導体を作れなければ意味がありません。

そのため、AGI時代においてもこういった半導体産業はますます重要になっていくと思います。

まとめ

AGI時代において、日本の強みが活きる分野は主に自動車、ロボット、センサー、半導体製造装置の4つと考えられます。

これらに共通しているのは、現実世界で正確に動くことが求められるハードウェアという点です。

今はAIというと、ChatGPTやGemini、Deepseekといったソフトウェアが話題になることが多いですが、AGIの応用先はソフトウェアとハードウェアの割合が1:1くらいになるともいわれています。

そのため、日本はAGIを「作る国」ではなく、「現実で動かす国」として活躍すれば、これからの時代でも重要な役割を果たしていくことができると思います。