Adani Group(アダニ・グループ)は、1988年に設立されたインド発の大手コングロマリット(色々な業界をまとめてやっている巨大企業)です。
港湾や電力、再生可能エネルギー、資源、物流、空港運営など、インドのインフラとエネルギーを土台から支える事業を幅広く手がけています。
特に港・電力・エネルギーという国家レベルで重要な分野を押さえているのが大きな特徴です。
この記事では、Adani Groupの事業内容やこれまでの成長、今後の展望を、できるだけ分かりやすく紹介していきます。
① Adani Groupの事業を分かりやすく解説
ここでは、Adani Groupが展開している主な事業を1つずつ見ていきます。
港湾・物流(Adani Ports)

Adani Groupのメインとなる事業が、港湾と物流分野です。
Adani Portsはインド国内最大級の港湾運営会社で、インド全体の湾岸貨物量の約27%を担っています。
港とセットで倉庫、鉄道、トラック輸送などの物流ネットワークも整備しており、「港に着いた荷物を、国内の工場や都市まで運ぶところ」まで担っているのが大きな特徴です。
このようにAdani Portsは、インドの輸出入を支える物流の入口から出口までをまとめて管理する存在として、インド経済の土台を支えています。
電力・エネルギー(Adani Power / Adani Green Energy)

Adani Groupは、インドの電気を支えているエネルギー分野の大手でもあり、石炭火力発電のAdani Powerと再生可能エネルギーのAdani Green Energyの2つの子会社を持っています。
Adani Powerでは、主に石炭火力発電を中心に、工場や都市向けに大量で安定した電力を供給しています。
インド全体の総発電能力(約475,000 MW)に対して、Adani Powerは約 3.8%ほどのシェアを占めています。
インドでは「電気が止まらないこと」自体がとても重要なので、こうした安定的な供給は経済を回すうえで欠かせません。
その一方で、Adani Green Energyは、太陽光や風力といった再生可能エネルギーに特化した会社です。
再生可能エネルギーの発電容量は約15,500MW (15.5GW)で、インドの再エネ設備全体の約 10%前後を占めるというデータもあり、Adani Powerよりも市場でのシェア率が高いです。
このようにAdani Groupは、今すぐ必要な電気と、これからの時代のエネルギーの両方を押さえているのが大きな強みです。
空港運営やインフラ事業

Adani Groupは現在、インド国内で8つの空港を運営していて、ムンバイやアーメダバード、ジャイプールなど主要都市を押さえています。
これらのAdaniが運営する空港だけで、インドの国内旅行者の約25%、貨物の約33%をカバーしていて、2024–25年度の利用者は約9,400万人にのぼります。
さらに、150億ドル超の投資を進めながら空港のキャパシティを拡大しており、2030年までに年間2億人規模の利用に対応できる体制を目指しています。
2025年には、新しいナビ・ムンバイ国際空港も開業し、将来的にはAdaniの空港インフラ全体の中心的存在になる見込みです。
資源・コモディティ事業

Adani Groupの中でも大きな柱の1つが、子会社のAdani Enterpriseが行っている石炭などの資源や原料の取引や供給を行うビジネスです。
もともとAdaniは貿易会社としてスタートしていて、1999年ごろから石炭の輸入ビジネスを本格化し、今ではインド最大級の石炭輸入企業になっています。
そして現在は、Adani Enterprisesを中心に、インド、インドネシア、オーストラリアなどで石炭の採掘や取引を展開しています。
例えば、オーストラリアのGalilee Basinでは、10.4ギガトン級という超巨大な埋蔵量を持つ鉱区を開発していて、将来的には年間で1,000万トン規模の石炭を供給できるとされています。
さらにインド中部ナグプルでは、年に約200万トンを生産する新しい炭鉱が進んでいて、30年くらい続く長期プロジェクトとして動いています。
② Adani Groupのこれまでの歩み

Adani Groupは、1988年にガウタム・アダニ氏によってグジャラート州アフマダーバードで貿易会社として立ち上げられました。
最初は石炭や原料の輸出入といったコモディティ取引が中心でした。
しかし、1990年代に子会社Adani Portを中心として、インド北西部のムンドラ港の開発などの港湾ビジネスへ参入したことで一気に成長します。
そして、2000年代以降は電力やエネルギー事業にも進出し、石炭火力から再生可能エネルギーまで幅広く展開していきます。
さらに2019年以降は空港運営にも乗り出し、インドのインフラをまとめて支える巨大グループとなりました。
③ Adani Groupのこれからの展望

今後、Adani Groupは再生可能エネルギーとインフラ投資を軸に、さらなる拡大を目指していくと見られています。
特に太陽光や風力、グリーン水素などの再生可能エネルギーの分野では、脱炭素を進めながら、急増する電力需要に対応するポジションを狙っています。
個人的には、Adani Groupは「インドのインフラを一番深く握っている会社」だと感じました。
港や電力、空港といったインドという国の基盤になる分野をまとめて押さえているので、インド経済の動きと直結して成長していく構造になっていると思います。
まとめ
Adani Groupは、港湾や電力、エネルギー、空港といった事業を担うインドの巨大コングロマリットです。
今後は再生可能エネルギーやインフラ投資にさらに力を入れていくと予想されています。
急速に伸びていくインド経済とともに、Adaniの存在感は今後もさらに大きくなっていくと考えられます。
