Maruti Suzuki(マルチ・スズキ)は、1981年にインド政府と日本のスズキが共同でニューデリーの近くの都市グルガオンで設立した、インド最大の自動車メーカーです。
現在では、インド国内の乗用車の約40%以上がマルチ・スズキという圧倒的なシェアを持っていて、まさに「インドの国民車メーカー」といえる存在になっています。
日本のメーカーがここまでインドで高いシェアを持っているのには、少し驚きました。
実際、小さなハッチバック (コンパクトな乗用車) からファミリーカー、SUVまで、インドの道路を走る車の多くがMaruti Suzukiで、都市部でも地方でも必ず見かけます。
この記事では、Maruti Suzukiの事業内容や成長の歴史、そして今後の展望を、できるだけ分かりやすく紹介していきます。
① Maruti Suzukiの事業を分かりやすく解説
ここでは、Maruti Suzukiが何をしている会社なのかを1つずつ見ていきます。
乗用車(アルト・スイフト・バレーノなど)

Maruti Suzukiのメインの事業は、インド向けの乗用車の製造と販売です。
Alto、Swift、WagonR、Baleno、Dzireなど、インドでよく売れている車種の多くがMaruti Suzukiのモデルです。
特にAltoやWagonRのような小型車は、価格が安く、燃費もよく、修理も簡単なので、初めて車を買うインド人にとって定番の選択肢になっています。
Maruti Suzukiは今までにインドで3,000万台以上を販売しており、Alto (約471万台)、Wagon R (約346万台)、Swift (約324万台)、Dzire (約290万台) などが特に売れています。
インドでは、「とりあえず車を買うならMaruti Suzuki」という感覚がかなり強いです。
SUV(Brezza・Grand Vitaraなど)

最近のインドでは、悪路にも強いSUVの人気が高まってきていて、Maruti Suzukiもこの分野を強化しています。
これには、今でもインドにはデコボコ道や雨季の水たまりが多く、普通の乗用車では不十分なことがあるというのが関係しています。
Maruti SuzukiはBrezzaやGrand VitaraなどのSUVを展開していて、都市部の中間層や若い家族に人気があります。
実際、発売後累計でBrezzaは170万台以上、Grand Vitaraは30万台以上を販売したそうです。
以前は「小さくて安い車の会社」というイメージが強かったMaruti Suzukiですが、このように今ではスタイリッシュで少し高級感のあるSUVにも本気で取り組んでいるのです。
販売・サービスネットワーク(Maruti Suzuki ARENAなど)

Maruti Suzukiの最大の強みの1つが、インド全土に広がる販売・サービス拠点です。
特に 「Maruti Suzuki ARENA」 はインド全土で5,000店以上が展開されており、低価格〜大衆向けモデル(Alto/WagonR/Swift/Brezzaなど)を扱っています。
また、プレミアムモデルを扱う 「Maruti Suzuki NEXA」 という販売拠点も500店以上あり、BalenoやGrand VitaraなどのSUVを中心に、少し高級な車を展示して販売しています。
そして、 「Maruti Suzuki True Value」 という中古車をきちんと整備・保証付きで販売するブランドもあり、インド全土に600店以上の店舗があります。
都会だけでなく、地方の小さな町や農村エリアにもディーラーや修理工場があり、どこでもMaruti Suzukiの車を買って直せる環境があることが強みとなっています。
これによって、「どこに住んでいても安心して買える車メーカー」という信頼が生まれています。
② Maruti Suzukiのこれまでの歩み

Maruti Suzukiは1981年に、インド政府が「国民向けの安い車を作りたい」と考えて日本のスズキが技術パートナーとして協力して、設立されたのが始まりです。
1980年代に登場した「Maruti 800」は、インドで初めて本格的に普及した大衆車で、約266万台も売れました。
この車によって、多くのインド人が初めて自家用車を持つようになります。
その後もMaruti Suzukiは1999年にはAlto(累計約470万台)、2005年にはSwift(累計約320万台)などのヒットモデルを生み出し、インドの自動車産業の中心的存在になりました。
近年ではSUV分野でも存在感を増しており、2016年発売のBrezzaが累計約130万台、2022年発売のGrand Vitaraが累計30万台以上も売れていて、小型車からSUVまで幅広い支持を獲得しています。
③ Maruti Suzukiのこれからの展望

Maruti Suzukiは、これからはインド市場だけを対象にするのではなく、インドを生産拠点としてグローバルに存在感を強めていく方針です。
その取り組みの一つとして、インド西部のグジャラート州に新工場を建設し、2029年までに年間100万台分の生産能力を増やす計画を進めています。
ここで生産された車は世界に向けて輸出されており、すでにSUV 「Victoris(Across)」 は100カ国以上に販売されており、EVの 「e-Vitara」 も欧州向けに出荷が始まっています。
このように今後はEVやハイブリッド車を強化しながら、インドをグローバルな生産拠点として育てていく狙いです。
まとめ
Maruti Suzukiは、インド人の生活を車で支えてきた日本のメーカーです。
安くて壊れにくく、どこでも修理できるという強みで、インドで約4割以上という圧倒的なシェアを持っています。
個人的には、日本企業がインドの自動車産業で大きな存在感を持っているのはとても嬉しく、今後さらに成長していってほしいと感じています。
