Mohalla Tech(モハラテック)は、2015年に設立されたインド発のテック企業で、ShareChat(シェアチャット)やMoj(モジョ)といった、インド国内向けのSNSを運営しています。
それぞれ、ShareChatはX (Twitter) のような短い文章のSNSアプリで月間アクティブユーザーは約1億8,000万人、MojはTiktokのようなショート動画アプリで月間アクティブユーザーは約1億6,000万人です。
英語中心のグローバルSNSとは違い、ヒンディー語やタミル語、テルグ語などインドのローカル言語向けに作られているのが最大の特徴です。
インドは英語が通じるイメージがありますが、実際には人口の約10分の1以下しか通じないという現実があり、Mohalla Techはその大多数を占める「英語を使わない人たち」を最初からメインターゲットにしてきました。
この記事では、Mohalla Techの事業内容やこれまでの成長、今後の展望を、できるだけ分かりやすく紹介していきます。
① Mohalla Techの事業を分かりやすく解説
ここでは、Mohalla Techが展開している主なサービスを1つずつ見ていきます。
ShareChat(ローカル言語SNS)

ShareChatは、インドのローカル言語に特化したSNSで、X(Twitter) や Facebookに近いです。
投稿内容はテキストや画像、動画などが中心で、英語ではなく、ヒンディー語、タミル語など、インド各地の言語でタイムラインが構成されていて、地方在住の人や英語が苦手な人でも気軽に使えます。
私も試しにインストールして使ってみたのですが、思っていた以上に宗教に関する投稿が多く、ヒンドゥー教とイスラム教の投稿が同じタイムライン上に並んでいるのが印象的でした。
ヒンドゥー教とイスラム教というと、インドでは対立しているイメージを持たれることが多いですが、実際にはどちらも人口が多く、インド人の生活に深く根付いている宗教でもあります。
そのため、日常レベルでは対立一色というわけではなく、こうして同じSNS空間の中で自然に共存している側面もあるのだと感じました。
Moj(ショート動画アプリ)

Mojは、TikTokに近いショート動画アプリです。インド政府がTikTokを禁止したあと、その代替として一気にユーザーを伸ばしました。
ダンス、コメディ、宗教、日常ネタなど、かなりローカル感の強い動画が多い印象です。
ShareChatと同じく、こちらもヒンディー語などのローカル言語が前提になっているため、地方ユーザーや若者との相性がとても良いです。
「インド版TikTok」と呼ばれることも多く、現在では月に1億6,000万人規模のユーザーが利用しています。
私も使ってみたのですが、クリシュナなどの宗教に関する投稿やダンスの投稿が多く、YouTubeなどでインドの動画を見るよりもさらにローカル感が強いと感じました。
クリエイターエコノミー(収益化支援)

Mohalla Techは、SNSを提供するだけでなく、クリエイターの収益化にも力を入れています。
ShareChatやMojではライブ配信の投げ銭 (ギフト)機能があり、視聴者から直接収入を得ることができます。
また、再生回数や反応に応じて報酬が支払われる仕組みや、PR (企業案件)や広告動画への参加機会も用意されています。
英語力や大都市に住んでいることを前提とせず、ローカル言語で発信することで収益につながる点が特徴で、地方や農村部にもチャンスが広がっています。
これは中国の 「快手 (kuaishou)」 という地方や農村向けのショート動画アプリとも立ち位置が似ていると思います。
② Mohalla Techのこれまでの歩み

Mohalla Techは2015年にバンガロールで設立されました。
当初から狙っていたのは、英語を話せるエリートインド人ではなく、大多数の普通のインド人です。
インドでは、英語を上手く使える人は人口の約10分の1ほどに過ぎません。
その現実を踏まえ、「最初からローカル言語だけでSNSを作る」という戦略を取ったのが、ShareChatの始まりでした。
2010年代後半にユーザー数が急増し、2020年以降はTikTok禁止の追い風を受けて、Mojが一気に成長しました。
そして現在では、ユニコーン企業(10億ドル以上の評価の非上場企業) にもなっており、インドを代表するSNS企業の1つとして広く知られる存在になっています。
③ Mohalla Techのこれからの展望

Mohalla Techは、ShareChatやMojを軸にして、「インドの非英語圏ユーザー」に特化したSNSとして成長を続けています。
今後はショート動画やマイクロドラマなど新しいコンテンツ形式を強化し、広告や投げ銭、EC連携による収益性の改善を進めていく方針です。
また、AIを活用した多言語対応やレコメンド精度の向上により、地方ユーザーの利用体験をさらに高めていくと見られます。
海外展開は控えめな一方で、今後はインド国内市場をより深く開拓し、クリエイターの収益化を軸としたエコシステムの拡大が、成長の中心になっていくと考えられます。
まとめ
Mohalla Techは、英語を使わない大多数のインド人に向けて、ShareChatやMojといったローカル言語SNSを展開し、成長してきた企業です。
ローカル文化や宗教、日常生活に根ざしたコンテンツに加え、クリエイターの収益化支援にも力を入れることで、地方に住んでいる若者を中心に強い存在感を持っています。
