Flipkart(フリップカート)は、2007年に設立されたインド最大級のEC(電子商取引)企業です。
インドのECは、Flipkartが約48%、Amazon Indiaが約30~35%とされていて、ほぼこの2社で市場を取り合っている状態です。
Flipkartは、現在はアメリカのWalmart(ウォルマート)グループ傘下に入りながらも、インド市場に特化したサービス設計で強い存在感を保っています。
この記事では、Flipkartの事業内容・これまでの成長・今後の展望を、分かりやすく紹介していきます。
① Flipkartの事業を分かりやすく解説

FlipkartはEC事業にとどまらず、物流ネットワークや決済サービスなども構築しているのが特徴です。
ここではFlipkartの主な事業を一つずつ見ていきます。
EC(ネット通販)事業
Flipkartのメイン事業は、スマホや家電、衣料品、日用品などを扱う総合ECです。
取扱商品数は1億点以上、登録セラー(出店者)は100万社以上とされていて、とても大規模なことが分かります。
その中でも特にスマートフォンの販売に強く、「この機種はFlipkart限定」というケースも多いそうです。
また、同じ競合のAmazon Indiaと比較すると、Amazon Indiaは安心感や確実さを求める場合に使い、Flipkartは安く買いたい時に使う傾向があるそうです。
物流ネットワーク(Flipkart Fulfillment)
Flipkartの本当の強みは、インド全土をカバーする物流ネットワークにあります。
物流拠点は200か所以上あり、配送員も数十万人規模にのぼり、大都市ではなく地方や農村部までカバーしています。
道路事情が悪く、住所表記も曖昧な地域が多いインドで、ここまで全国配送を成立させているのはかなりすごいことだと思います。
そして都市部では、「翌日配送」「時間指定」など、日本に近いレベルの配送も実現しています。
Big Billion Days(大型セール)
Flipkartを語るうえで欠かせないのが、年1回の超大型セール 「Big Billion Days」 です。
毎年9~10月に開催されるそうです。
この期間だけで、流通総額は数兆円規模、1日の注文数も数千万件レベルに達します。
これは中国のEC大手のアリババが毎年11月11日に行っている 「独身の日」 にも似ていると思いました。
インドではこのセールをきっかけに「初めてネット通販を使う人」も非常に多く、EC普及のエンジンになっています。
金融・決済サービス(PhonePe)
FlipkartはECだけでなく、決済や金融サービスにも力を入れてきました。
特に有名なのが、かつてFlipkart傘下だった PhonePeです。
PhonePeは、QRコード決済や個人間送金、光熱費の支払い、ECや店舗での支払いができるアプリで、日本で言うPayPayのような存在です。
PhonePeは現在、月間ユーザー数6億人で、インド最大級の決済アプリとなっています。
② Flipkartのこれまでの歩み

Flipkartは2007年、元Amazon社員の2人によってバンガロールで設立されました。
バンガロールは、インドのシリコンバレーとも呼ばれる都市として知られています。
当初は、Flipkartは「オンライン書店」としてスタートしました。
当時のインドでは、クレジットカード普及率が低く、ネット決済に不安があり、物流インフラが未整備という厳しい環境でした。
そこでFlipkartは、代金引換(Cash on Delivery)というシステムを積極的に導入し、一気にユーザーを増やします。
代金引換とは、商品が届いたときにその場で支払う仕組みのことです。
これによって、クレジットカードを持っていない人や、ネット決済に不安がある人でも気軽に利用できるようになりました。
日本だとあまり意識しない仕組みですが、インドではこの代金引換がEC普及の大きなきっかけになったのが面白いところです。
2010年代に入ると、スマホ普及とともに急成長し、2014年には評価額100億ドルを超えました。
そして、2018年にはアメリカのWalmartによって約160億ドルで買収されました。
③ Flipkartのこれからの展望

今後、Flipkartは「インドでECをさらに当たり前の存在にすること」を目指しています。
まずは、都市部だけでなく地方や農村部のユーザー獲得を本格化させていくと考えられます。
ヒンディー語やタミル語といったインドの地域言語への対応や、低スペック端末でも快適に使える軽量アプリを強化し、これまでネット通販を使ったことがない農村部や地方の層も取り込もうとしています。
あわせて、強みである物流ネットワークをさらに進化させ、在庫配置の最適化や即日・翌日配送を拡大していきます。
大型セールでも安定して回る体制を整え、Amazon Indiaと同等かそれ以上の配送体験を目指しています。
また、PhonePeをはじめとする決済や金融サービスとの連携にも力を入れ、「ただの通販サイト」ではなく、インド人の生活インフラに近い存在へ進化しようとしています。
買い物の中でECが占める割合が約10%とまだ低いインドでは、Flipkartの成長余地はまだかなり大きいと言えると思います。
まとめ
Flipkartは、インド最大級のEC企業で、Amazon Indiaと並ぶ実力を持っています。
安さに強いECと全国規模の物流網で、インドのネット通販普及を引っ張ってきました。
今後もインドのEC市場はさらに拡大していくと考えられているので、Flipkartのさらなる発展に期待することができます。
