Wiproとは? Infosysと並ぶインドIT大手企業を分かりやすく解説

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Wipro(ウィプロ)はインドを代表するITコンサル・ITサービス企業で、1945年にM.H. Hasham Premji(ハシム・プレムジ)によって創業されました。

現在は、ITコンサルティング、システム開発、クラウド、AI、DX(デジタル変革)支援、BPO(会社の事務作業の外注) などを主に行っていることで知られています。

Wiproは一般人がたくさん使っているようなB2Cのサービスを提供する会社ではありませんが、世界中の企業を支える重要なITパートナーとしての役割を担っています。

今回の記事では、Wiproのサービス内容・創業から現在までの歴史・そして今後の展望を、分かりやすく解説していきます。

① Wiproのサービスを分かりやすく解説

まずは、Wiproが展開している代表的な事業を1つずつ見ていきましょう。

ITコンサルティング、システム開発

Wiproのメインとなる事業は、大企業向けのITコンサルティングとシステム開発です。

金融や製造業、エネルギー、通信、IT、ヘルスケアなどといった幅広い業界を対象に、業務システムの設計・開発・運用をまとめて支援しています。

例えば、銀行の送金や決済が24時間止まらないように、システムを裏側で監視したり運用したりし続けています。

特にWiproは長年にわたるアウトソーシング(IT業務の外部委託)経験を強みとしており、大規模システムを安定して運用する力が国内外からとても評価されています。

DX(デジタルトランスフォーメーション)支援

近年、Wiproが力を入れている分野の一つがDX支援 (デジタル化で業務システムを変えること) です。

例えば、Wiproはドイツのハンブルク商業銀行に対して、古くて使いにくかった社内システムをIT技術を導入することで、手作業や紙の業務を減らしました。

クラウド、AI、データ分析

Wiproは、クラウド分野にも力を入れており、AWS・Microsoft Azure・Google Cloudなどの大手クラウドサービスと連携しています。

また近年は、生成AIを活用した業務自動化やIT運用の効率化にも注力しており、社内ヘルプデスクやクライアント対応の自動化などを支援しています。

例えば、社員からの「パスワード忘れた」「アカウントにログインできない」などのお問い合わせにAIが自動で対応するシステムを構築しています。

Wiproは、話題性のあるChatGPTのような最先端AIよりも、現場の業務を確実に楽にするAIや自動化を重視しています。

こうした実務重視の姿勢は、IT受託で成長してきたインド企業らしさが表れていると思います。

② Wiproの創業から現在まで

Wiproは1945年に、インド西部のアマルナールでもともとは植物油や石けんを扱う会社として創業されました。

その後、創業者の息子である Azim Premji(アジム・プレムジ) が経営を引き継ぎ、1980年代からIT事業へと大きく方向転換します。

インド政府が経済自由化を進めた1990年代以降は、Wiproはソフトウェア開発・ITアウトソーシング企業として急成長しました。

そして2000年代以降は、ITアウトソーシング (他社の仕事を代わりに引き受けること)に加えて、ITコンサルティング、DX、クラウド、データ分析などにも事業を拡大していきます。

現在では、従業員数は20万人以上、事業展開国は50か国以上にのぼり、InfosysやTCSと並んでインドのIT受託サービスとして広く知られています。

③ Wiproの現在とこれから

Wiproは今後、特にエージェントAIやクラウド、ビッグデータ、サイバーセキュリティなどに力を入れていくと予想されています。

特にAIの分野では、「AI Powered (AIによる支援)」を打ち出していて、今後さらに業務プロセスのAI活用を進めていくと思われます。

また、独自のWipro Innovation Network (Wiproのインド各地にあるAI研究所) を通じて、Agentic AI(自律型AI)やロボティクス、量子コンピューティングなどの先端AI分野にも投資しています。

まとめ

Wiproは、TCSやInfosysと並んでインドを代表するIT企業で、コンサルからシステム開発、クラウド、AI、DXまで幅広く企業を支えています。

もともとは製造業からスタートし、時代の変化に合わせてIT企業へと進化してきた点が、Wiproのとても面白いところだと思います。

現在は、生成AIやクラウド、ビッグデータにも力を入れており、今後の成長にも期待することができると思います。