フィンランド語は、北欧のフィンランドを中心に、約550万人に話されている言語です。
地理的にはスウェーデンやノルウェー、ロシアと隣り合っていますが、フィンランド語はそれらの国の言語とはグループがまったく異なります。
フィンランド語は、英語やロシア語、ノルウェー語などが属するインド・ヨーロッパ語族というグループには属しておらず、代わりにウラル語族と呼ばれるグループに属しています。
ウラル語族はロシアのウラル山脈の近くで生まれたとされていて、現在ではフィンランド語やエストニア語、ハンガリー語などがそれにあたります。
この記事では、フィンランド語の文字・単語・文法・発音の特徴と、学ぶメリットについて分かりやすく解説していきます。
① フィンランド語の文字 ― 英語と同じアルファベットを使う ―

フィンランド語は、英語と同じアルファベットであるラテン文字を使います。
文字数は 29文字で、基本の26文字に加えて、次の文字が使われます。
ä / ö
発音は次のようなイメージです。
ä:日本語の「ア」と「エ」の中間
ö:「オ」と「エ」の中間の丸い音
これらはドイツ語にもある音なので、ドイツ語を学んだことのある方には分かりやすいかもしれません。
文字数は英語よりは多いですが、ポーランド語やセルビア語などのスラヴ系の言語と比べると比較的シンプルと言えます。
② フィンランド語の単語 ― エストニア語と近い単語が多い ―

フィンランド語の語彙は、英語やロシア語などのインド・ヨーロッパ語族の言語とは、ほとんど共通点がありません。
これは、フィンランド語がエストニア語と同じウラル語族と呼ばれるグループに属しており、長いあいだ独自に発展してきたからです。
そのため、同じウラル語族のバルト三国の一つであるエストニアの言語・エストニア語とは、語彙や文法においてとても近い関係にあります。
例えば「仕事」という単語を比べてみると、
英語:work
フィンランド語:työ
エストニア語:töö
となります。
このように、フィンランド語とエストニア語は互いに似ている一方で、英語などをもとに意味を推測することがほぼできません。
そのため、フィンランド語の語彙は一語一語覚えていく必要があり、比較的難易度が高いといえます。
③ フィンランド語の文法 ― 語順は英語と同じSVOで、語尾変化が豊富 ―

フィンランド語の基本語順はSVO(主語 → 動詞 → 目的語)で、英語と同じです。
例えば、
Hän lukee kirjaa.(彼/彼女は → 読む → 本を)
という語順になります。
ただし、フィンランド語では語順よりも名詞の語尾の変化が重要です。
英語で使われる前置詞(in / at / fromなど)がなく、その代わりにフィンランド語では名詞の語尾が変わります。
例えば、「koulu(学校)」という単語は、
koulussa(学校で)
kouluun(学校へ)
koulusta(学校から)
というように変化します。
このように、フィンランド語では語尾だけで日本語でいう 「で」や「へ」を表現します。
④ フィンランド語の発音 ― 発音の種類はとても少ない ―

フィンランド語の母音は次の8つです。
a / e / i / o / u / y / ä / ö
そして、子音の数は約13種類で、日本語 (約14種類)より少ないです。
p / t / k / d / s / h j / v / l / r / m / n / ŋ
また、フィンランド語の大きな特徴は、母音・子音の長さが意味を区別することです。
例えば、
muta(泥)
muuttaa(引っ越す)
というようになります。
そのため、文字が少し増えるだけで、意味がまったく変わります。
また、アクセントは必ず最初の音節に置かれるルールのため、とても覚えやすいです。
⑤ フィンランド語を学ぶメリット ― ヨーロッパの例外を知ることができる ―

フィンランド語の最大の魅力は、ヨーロッパの中でとても独特な言語に触れることができる点にあります。
フィンランド語は、英語やフランス語が属するインド・ヨーロッパ語族とは完全に異なる、ウラル語族に属しています。
そのため、単語や文の仕組みが他のヨーロッパ言語とほとんど共通点がなく、とても新鮮感があります。
そして、フィンランド語はEUの公用語でありながら学習者がとても少ないため、希少性が高く価値があるというメリットもあります。
単純にヨーロッパで有名な言語を学びたいならドイツ語やフランス語がいいですが、個性のあるマイナー言語を学びたいならフィンランド語は良い選択肢になると思います。
まとめ
フィンランド語は、ヨーロッパで使われていながらも、他のヨーロッパの言語とは大きく異なる特徴を持っています。
そのため、フィンランド語を勉強することによって、英語やスペイン語、ロシア語などとは異なる言語世界を知ることに繋がります。
